例会部会
先号   次号

「第139回例会」報告

PMAJ例会部会 生越 直人 [プロフィール] :8月号

【データ】
 開催日:2010年6月25日(金) 19:00〜20:30
 テーマ:「質問会議」によるPM向けOJT 〜上司による真の支援とは?〜
 講師:ビジネスファシリテーション・サービス 代表 新岡優子氏

 今回の例会では、「質問会議」について、新岡先生よりご講演を頂きましたので、概要をご紹介致します。

 質問会議とは、シンプルな質問と回答を繰り返す中で、①現実の問題解決、②個人能力・リーダーシップ開発、③チーム・組織開発の3つを同時に起こす、新しい会議手法です。  参加者には、質問のミニワークを体験して頂きながら例会を進めました。最初は緊張されていた参加者も、ミニワークが進むにつれ盛り上がり、後半は楽しそうな顔をして講演を聴かれていました。

 講演では、最初に質問会議の進め方を少し教わりました。質問会議には「意見を言ってはいけない」というルールがあります。意見を言われると、受け手が強要・否定・指示と感じたり、思考が停止して依存が発生したり、指示待ちになるからです。相手に共感するための質問を繰り返すことによって、本当に解決したいことを共に考えられるようになります。

 参加者は、まだ「質問会議」をよく理解していない内に、即1回目のミニワークが実施されました。いきなりのトライです。
 隣に座っている人と2名1組になって、質問をする人(Aさん)と、答える人(Bさん)に分かれます。そして、Bさんが「自分自身が、今とても困っていること、解決したいこと」を1分間話した後、4分間の質問と回答を行います。Aさんの目標は10個以上の質問をすることです。
 初対面の人同士の組が多く、最初は緊張していて、質問がなかなか出てこない組もあったようですが、新岡先生より追加質問のヒントも頂いて、徐々に盛り上がりました。

 その後、新岡先生からの講義というよりは、参加者とのディスカッションを経て、2回目のミニワークが実施されました。前回と同じ組で、AさんとBさんが入れ替わります。
 今度は、若干スムーズに、笑顔を交えながらのミニワークでした。

 質問会議は、アクションラーニングの核となる会議体(アクションラーニングセッション)であり、チームの協働力を向上させながら問題解決に取り組みます。4〜8名でチームを結成し、「チーム脳」を出現させ、「問題提示者の行動計画」をアウトプットとして作成します。

 ミニワークでは、質問会議の10分の1程度を体験したそうです。
 限られた時間の中での講演でしたので、全体を理解することは難しかったのかもしれません。アンケートでも、「もう少し時間があるとより実感できた」「問題解決まで導くイメージが湧かなかった」「講義の時間が短すぎる」等の意見を頂きました。また、「質問会議に興味をもった」という意見も多く、80%程度の方が満足されたようです。

 2010年9月の「PMシンポジウム2010」では、新岡先生の「体験!『質問会議』」で変わるチームと組織」が1日セミナーで開催されますので、消化不良だった方や、この記事で興味をもたれた方は是非参加して下さい。

 今回の例会参加者は、70%以上の方が6年以上プロジェクトマネジメントの経験のある方で、20年以上というベテランの方も15%程度参加されていました。
 プロジェクトマネジメント手法やプロジェクトマネージャー育成分野に興味/問題意識を持たれている方が多く参加され、真剣に学習されていました。

 いつものような講義型の例会ではなく、体験型の例会で参加者は楽しみながら学べたのではないでしょうか。

例会風景

 例会では、これからも有益かつ時機を得たPMビジョン・戦略、PM手法、PM実践事例などの話題提供ならびに会員交流の機会を設定致します。

現実の課題をグループで検討し、解決策を立案、実施(行動)する過程の中で、組織、チーム、そして参加する個人の力を育成していくチーム学習と問題解決の手法
 (NPO法人日本アクションラーニング協会ホームページより
ページトップに戻る