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「ダイバーシティ時代のプロジェクトマネジメント」
〜変化に上手く対応する力〜

井上 多恵子 [プロフィール] :7月号

 今月も昨月に続き、5月に参加したASTD 2010 International Conference & Exposition(ASTD = American Society for Training & Development・人材開発に関するカンファレンス)から得たことを皆さんと共有したい。
 カンファレンスの最後を飾ったのが、「変化が激しい時代を上手く生き抜いていく」ためのメッセージを伝えたシカゴの即興シアターThe Second Cityだった。聴衆から提示されたテーマを「即興で演じた」後、彼らは次のように語った。「変化に直面した時には、“Yes, and…”(はい、そして・・・)というフレーズを言うようにしてください」。 “Yes, we can.”というオバマ大統領のフレーズもとてもパワフルだが、“Yes, and…”には「自分自身を行動に向かわせる」力がある。「はい」と言った後、「そして・・・」と言うことで、次のアクションを考えざるを得ないからだ。
 私は、できないことがすぐ思い浮かぶほうで、そのために、会社でもプライベートでも「そうですね。でも・・・」“Yes, but…”と言うことのほうが多い。実際、“Yes, but…”と言っていると楽だ。何もやらなくてすむから。でも、それじゃ、自分で可能性をつぶしているにすぎない。そう反省した私はASTD後、次のことを始めた。

 其の1:携帯電話を持ってツイッターを始めた
 其の2:出不精を少し返上した
 其の3:来年度、ASTDにスピーカーとして参加したいという意思表示をした

 それぞれについて少し触れてみたい。まずは、携帯電話とツイッター。「え〜?ケータイ持ってないの?」と知り合いから幾度となく驚きの眼で見られても、「私は予定通りに行動するから携帯電話は不要」と言って頑として受け付けなかった。しかし今回、2つの出来事で、ようやく重い腰を上げた。成田空港行きの電車が信号故障でしばらく停車し、もう少しで飛行機を乗り遅れるはめになり、不慮の事態に遭遇した際に連絡できないと大変だと痛感したこと、そして「学ぶ」にあたって、ツイッターは不可欠だというメッセージをASTDで受け取ったこと。いまだにツイッターのことはよくわかっていないが、先日見知らぬ人も交え、同じテーマでつぶやきあうという体験をし、少し面白くなってきた。私のツイッターIDは、ResumePro1。読者の方でツイッターをやっている方がいたら、ぜひお互いにフォローしあいましょう!
 次は、出不精の話。会社が終わるとまっすぐ家に帰ってだらだらとTVを見ているのが好きな私。外出する場合は、「どうしても行かないといけないことか」または、「確実に何かを得られそう」な時に限っていた。でも、ツイッターセミナーに行き、何かやりたいことがある人が、人が集まる場に積極的に出かけていき、人脈をつくっている様を目の当たりにした。特に本の出版を予定している人は、一人でも多くの方に自分を知ってもらい、応援してもらわないと本が世の中の人に知られることなく埋没してしまう、と忠告された。内容がどれだけよくても、人に知られなければ意味はない。数多くの本が出版される中で、手に取ってもらうためのカギ、それは「自分が信頼している誰かが推薦している」ということだそうだ。どんなにデジタルな世界になってもフェイスツーフェイスにまさるものはない。ある人との出会いで新しい世界が広がることもある。これからは、そんな偶然性に満ちた人との出会いも楽しんでいきたい。
 3番目が、来年度、ASTDにスピーカーとして参加する意思表明をしたこと。「70カ国の人々が集まる場で、日本人として発信したい!人材育成の世界における日本人の地位を上げるためにも、発信しなければ!」と突き動かされるように、宣言。実は、選定にあたっての条件の厳しさと提案書の受付締め切りが早いことに、今頭を抱えている。8月中旬の締め切りまでに、やらないといけないことが目白押しであるからだ。7月中旬はPMAJ協会の講師として、フランスのSKEMA Business Schoolに行くことになっている。本も7月末に出版されるので、献本の際のメッセージ等準備しないといけない。でも、ここで逃げちゃいけない。チャレンジして駄目だったなら諦められるけれど、チャレンジすらしなかったら、後で大いに後悔しそうだ。どんなに大変でも、自分が好きなことなら、何とかやりきれるだろう。

 皆さんは、「変化に上手く対応する」ために、何かやっていることはありますか?もし、どうも上手くいっていないというのなら、一緒に、“Yes, and…”をやってみませんか?対象は、何でも構いません。PMAJ協会のセミナーやイベントに参加することでも、また、新しいプロジェクトに携わることでも、あるいは、何かを学び始めることでも。もし、英語に関心がある方なら、英語アピール力強化のための道を踏み出していただくという“Yes, and…”もお薦めです。本を出版したらセミナーをやりますので、“Yes, and…”をしてみたい方、ぜひご参加ください!(「心をつかむ英語アピール力」―表現力向上の秘訣―税務経理協会)
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