リレー随想
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現地・現物の効用

NECネッツエスアイ株式会社  田崎 保志: [プロフィール] :5月号

 みなさん、初めまして、NECネッツエスアイの田崎で御座います。当社はNECグループの1社として、企業内のICT(情報通信技術)から公共・社会インフラ分野に至る幅広い分野において、システム導入から運用までワンストップで、安心・安全なサービスを提供いたしておりますネットワークSIerでございます。私も半年前まではお客様最前線で当社の様々な商品を提案、構築を担当いたしておりました。その後現職に異動し、現場から一歩引いたところで社内の様々なプロジェクトの安全品質管理を担当しております。現場ではプロジェクト責任者としてお客様に満足していただけるシステムの提供を第一に考え、出来るだけ、高く、広い視野でのマネジメントを心掛けておりました。しかしながら現職の立場でその頃を振り返りますと随分危なかっしいところもあったなあと思い起こされ、反省させられます。近年のプロジェクト遂行においては、お客様のシステムを構築するだけではなく、CSR、環境問題、コンプライアンスなどへの対応が求められプロジェクトマネージャへの責任、負荷は大きくなる一方です。当社ではこれに対応するため、PMO活動に力を入れております。具体的には2008年度から私どもの本部が中心となり、全国のプロジェクト現場を訪問し、遵法状況を中心に「プロジェクト審査」を実施しております。2009年度には全国100以上のプロジェクトを北海道から沖縄の離島まで現場を訪問し、着工前後に審査を実施しました。またプロジェクトによっては担当部門が自主点検をするように義務付けており、その数は1000プロジェクト以上になります。おかげさまで2008年に開始した当初は1プロジェクト2件以上あった要改善指摘事項が0.8件にまで減少してきております。さらに指摘事項の統計、分析により当社が抱える組織的な課題も抽出することができました。時には雪の山道を登り、南国では汗まみれになりながら「現地現物」を実行したことが現場最前線の作業者のみなさんの共感を得、このような成果を得られたのだと思います。
 2010年度はさらに「現地現物」を実行するとともに、社内の生産革新に取り組み、社内プロセスの標準化、共通化を図り改善指摘事項ゼロ件を実現し、お客様へより安全・安心なシステムを提供することにより、お客様自身の価値向上へ貢献いたします。
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