図書紹介
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「体温を上げると健康になる」
(齋藤真嗣著、サンマーク出版、2009年11月20日発行、24刷、206ページ、 1,400円+税)

デニマルさん:2月号

毎年、年末にその年の重大ニュースや特徴的な出来事等を発表する。そんな中にトーハン(本社:東京都、出版卸売業)が、2009年年間ベストセラー(総合)を発表した。その1位は、「1Q84」(村上春樹著)、2位が「読めそうで読めない間違いやすい漢字」(出口宗和著)であった。他に「日本人の知らない日本語」(5位)や「告白」(8位)がある。その10位に今回の本が上げられていた。どうしてこの本が上位にあるのかのヒントは、アマゾンのBest Books of 2009にあった。1、2位はトーハンと同じだが、3位に「ザ・トレーシー・メッソド」と4位の「巻くだけダイエット」と美容や健康の本がラックアップされていた。今回紹介の本は、健康を「体温」の観点から説いている。体温は自己管理できるイコール健康になる秘訣であると、著者であり日米アンチエージングの専門医が詳しく書いている。

健康のバロメーター   ―― 自分の平熱を知っていますか? ――
人の健康バロメーターを「体温、痛み、疲労」であるという専門医がいる。そういえば病院に行くと、体温や血圧、脈拍等を確認される。体温は、気候や身体的運動等での環境変化に、発汗や皮膚・筋肉等で自動調整されている。これは体内の免疫系、ホルモン系が自然反応して健康を守っているためである。身体に異常が発生して体温上昇するのは当然な反応である。その反応は色々あるので、平熱の詳細を知ることが重要であると書いている。

低体温が病気をもたらす  ―― 低体温とストレスの関係? ――
この本は、低体温が多くの病気の原因であると書いている。低体温とは、先の平熱とも関係するが、「36度以下」と定義している。何故、低体温が身体に悪いのか。ズバリ、体内の「免疫力が低下する」からであり、体温が1度下がると免疫力が30%も下がる。更に、ガン細胞は35度台の低体温の時に、活発に増殖するという。この低体温の原因は、「ストレス」によって自律神経のアンバランスがホルモンバランスを損ねるからだと指摘している。

体温アップ健康法  ―― 体温を上げる方法はあるのか? ――
ストレスが低体温の原因なら、ストレスを無くせば問題は解決できるのだが、簡単にはストレスは無くならない。だからストレスを軽減するリラクセーションを図る努力が必要であろう。この本では、体温を一時的に上げる「体温アップ健康法」を紹介し、病気になりにくい身体をつくろうと提唱している。その方法が「筋肉を鍛える」のが最良法だという。他に低体温を防ぐ生活習慣も書いてあり、健康に関心のある方には参考になる本である。

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