関西P2M研究会コーナー
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関西P2M研究会に参加して

関西P2M研究会 國谷 勝己 [プロフィール] :10月号

1. はじめに
2009年度、関西P2M研究会の分科会は5つのテーマで活動をスタートした。
私は、その中の1つである「PM人材育成分科会」のメンバーに2008年3月より参加する事になる。最初はオブザーバーの参加ではあったが研究テーマが「PM人材育成」と言うこともあり、兼ねてから人材育成、教育には関心もあり、IT業界に関わる自社でもPM人材の育成には力を注ぎたいテーマでもあった。

2.活動に参加して
新版「P2M標準ガイドブック」の第1部・第7章のP2Mにおける実践力の章を中心に、実践力を評価基準である10のタクソノミーに基づいて実践事例を研究・検証する活動をしている。 オンラインジャーナル6月号にも掲載されていた「八甲田山 〜死の彷徨〜」、「失敗の本質 ミッドウェー作戦」などから、その時のリーダーがどういう行動を取ったか、又、組織としてどう動いたか、その結果がどうであったか、と言う観点からそれぞれのリーダーの行動特性、組織の行動特性について分析、検証を行った。 行動特性はその人の持っている「姿勢・資質・倫理」に帰属することが多いと言われている。すなわちその人のコンピテンシーの関わることが大きく影響している。 コンピテイシーはもともとハーバード大学の心理学者であるディビット・C・マクレランド教授を中心とするグループが行った研究に由来すると言われている。
又、コンピテイシーは行動特性を定義したもので、行動・態度・思考・判断・選択を評価軸として活用される事が多い。このPM人材育成分科会もこのコンピテンシーを重視し、様々な実践事例集を作成する事により、PM実践力を高める為の教材事例シートの作成を手がけている。ここで言う実践力とは、「ブログラム・プロジェクト」を円滑に遂行する為の実践総合能力の事を定義している。

話は変わるが、リーダーシップの行動特性として今、NHKの大河ドラマでも放送されている「天地人」の中にも、多くその時代のリーダーの行動特性が見られる。
現在ドラマの主役は上杉景勝、直江兼続ではあるが、それを取り巻く織田信長、羽柴秀吉、徳川家康など、その時のリーダーが取った行動様式にも興味深いものを感じる。 ちなみに、この3人の詠んだ句に「ほととぎす」の句があるのは有名である。
     信長  鳴かぬなら、殺してしまえほととぎす
     秀吉  鳴かぬなら、鳴かしてみせようほととぎす
     家康  鳴かぬなら、鳴くまで待とうほととぎす
この句から読み取っても、戦国乱世の時代の中、戦国武将がどのような行動を取ったか、又、どのようなコンピテンシー特性を持っていたか垣間見ることができる。
そしてその実践力・行動特性によって時代は大きく変化して行くことになる。

2008年11月1日〜2日に関西P2M研究会の合同合宿があった。合宿の初日は各分科会の活動の経過報告から始まり、その後、各分科会に別れ研究テーマの検討会に入った。 時間いっぱいまで各分科会メンバーがそれぞれの部屋に分かれ議論を尽くし翌日の発表会に向けて、テーマ内容をまとめていく。そして初日の夜は懇親会である。また、この懇親会で更なるメンバー同士の交流の場が拡がって行く。交流会では各メンバーの研究会に属してのコメントや決意表明など話の輪は尽きない。
その後、各部屋に戻り翌日の発表会の事も忘れ、夜遅くまで談話に花を咲かせ、部屋の灯りが消えるのは、もう翌日の日付になっていたようだった。 私は残念ながら翌日は参加できなかったが、大変有益な合宿であったと思う。

3.最後に
PM人材育成分科会は月1回の予定で活動している。 しかし各メンバーはそれぞれの職務、事情もあり全員が揃うと言うことは稀ではあるが、いつも分科会の場ではいろいろな視点・観点から活発な議論が行われている。 時間も限られた時間ではあるが、議論がつきない事もある。 その後は恒例の懇親会などで、研究テーマの続きや、その他様々な話でまた場が盛り上がる。
2009年度は新しいメンバーも参加して、PM人材育成の源泉になるコンピテンシー、人間力、又、組織の環境等がプロジェクトに与える影響など更なる議論が発展しそうである。
関西P2M研究会はどの分科会も活発に活動している。業種・業態を超えた良いコミニティーの場にもなっていると思う。 今後もこの活動を通して、関西P2M研究会及びPMAJ協会に少しでも寄与することができれば幸いである。
以上
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