トピックス(活動報告)
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製造業向けP2M活用調査研究委員会に参加して

中村 元哉 [プロフィール] :9月号

 「製造業向けP2M活用ガイド」の作成に参加させて頂きました、中村でございます。
 昨年9月、ちょうど一年ほど前に関係者の方からお声掛け頂いてから、各方面の専門家の方々、そうそうたるメンバーの方々とご一緒させて頂いたことは、私としては、一つのチャレンジでもありました。やや大袈裟に言いますと、単一の企業や業界という枠組みを越えて、日本の産業、製造業というものに思いをめぐらせた、最初の機会になったのではないかと感じています。
 ひと括りに製造業と言いましても、様々ございます。今回の活動の対象業界だけでも、機械業界、家電業界、食品業界、ガラス素材業界、プラント業界。しかし、取り巻く環境や業界構造こそ違えども、戦略の立案、そして遂行の難しさは共通でありました。日本全体として、業界に依らず困難に直面している根深さがあるとも言えますが、一方で、共通の難しさを克服できるのであれば、一気に底上げを図ることができる可能性を秘めているとも言えるのではないかと思います。
 本委員会にお声掛け頂いた頃、折しも、「マネジメントの世紀」(スチュアート・クレイナー著)を手にし、ここ100年の社会的な背景の移り変わりとともに発達してきたマネジメントの体系・手法の変化を、歴史の中に学んでいたところでした。そして、この先30年、50年、自分の目で確かめられる時代のマネジメントはどの様に変わっていくのかと。その時代、その時代によって、マネジメントのありようが変わってくるのだとすれば、その先にP2Mがあっても不思議ではありません。
 さて、過去100年のマネジメントがそうであった様に、P2Mの今後も、理論と実践が繰り返されて、進化していくものなのだと思います。現場での実践があるからこそ、上手くいかない原因が分かる。それが、制度に起因するものなのか、または組織に起因するものなのか、あるいは運用の不適切さによるものなのか。それとも、組織風土として根深く存在する問題なのか。
 組織の構成メンバーが、経営戦略から、施策、アクションプランまでを、ひと繋がりに整合の取れたものと認識して、自律して動けるマネジメントを目指して。私自身、今後、一つひとつ実践を積み重ねていきたいと思っています。

 最後に、今回、多岐にわたりご指導頂きました委員会の皆様、事務局の皆様に、厚く御礼申し上げます。
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