トピックス(活動報告)
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「製造業向けP2M活用ガイド」完成にあたり
リレー随想第4回

海藏 三郎 [プロフィール] :7月号

 製造業向けP2M活用ガイド作成の委員として、執筆編集のお手伝いをさせていただき大変誇りに思っています。今回、オンラインジャーナル誌面を借りて、貴重な経験を手記として綴らせていただきます。
 北村委員長より声をかけていただいたのは、昨年の9月ごろです。委員長から渡された活用ガイド作成の指針や企画書等の資料を一通り読みましたが、当初は正直言って、どの方向でまとめていくのか、私自身にはストーリーが読めませんでした。最初の研究会会合に私が参加したのは10月に入ってから、確か2回目の会合でした。その時点で田中理事長から「製造業P2M開発プロジェクト展開のためのフレームワーク(仮称)」が提示され、全体骨格・方向性が私にも少し見えてきました。と同時に田中理事長の本研究会にかける強い意気込みも伝わってきました。その後、北村委員長とガイド作成の全体枠組みやレジュメ構成を検討する段階で全体シナリオが透けてきたように感じます。
 私は第4章、業界別プロジェクトマネジメントの実践例(家電業界)の執筆を担当いたしました。家電業界に籍は置いていましたが、ものづくり製造現場の経験はありません。ただ日本の家電メーカーはグローバル的には厳しい状況であり、先行開発の優位性を継続できない大きな課題があることは、雑誌・書籍や統計白書等のデータから伝わってきます。特にその差は車両メーカーと比べると歴然としています。車と家電の違いは何か、このような疑問点を彷彿させながら、1節の業界の特徴と競争力要因や2節の業界別課題と今後の方向にアプローチしていきました。
 次に核心である3節のプロジェクトへのP2M的アプローチの項ですが、企業において、商品開発プロセスは最も重要なフェーズであり、企業固有のノウハウが集結する部分であります。グローバル的に競争の激しい家電業界においては殊更重要です。中長期ビジョンから商品開発ローダマップや戦略マップを構築し、商品開発プロジェクトを組織横断的なチーム編成で実践していく、企業ごとに手法・技法の違いはあるだろうが、時間との勝負で成果を追求していく手法は、まさにP2Mの考え方、そのものです。今回は家電業界における商品開発の基本的な考え方を参考にしながら、各書籍を参照し、P2M的アプローチ手法としてまとめさせていただきました。
 最後に、研究会委員の皆様をはじめ、いろいろアドバイスいただいた方々に心より御礼申し上げます。
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