トピックス(活動報告)
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「製造業向けP2M活用ガイド」完成にあたり
リレー随想第3回

浦 広道 [プロフィール] :6月号

 製造業向けP2M活用ガイド作成にあたり、機械業界担当の委員として参加させていただきました。
 私にとって社外の委員会活動に参加させていただいたのは初めての経験であり、それが「製造業向けP2M活用ガイド」の作成に関わる委員会であったことは、非常に得がたい貴重な経験となりました。私の担当分野は機械業界ですが、食品業界、プラント業界、素材業界など、いろいろな分野の委員の方々のお話を伺うことが出来、さまざまな事業の進め方、戦略など大変勉強になりました。
 私は長年航空業界で業務を行ってきた関係上、ミリタリースタンダードなどいわゆる個別マネジメントと言われるものについては慣れ親しんでおりましたが、P2Mに出会いプログラムマネジメントという考え方に触れ、個別マネジメントを如何にうまく統合させるかがミッション達成の近道であると思い至るようになりました。
 これには、米空軍でアポロ計画や兵器システム開発などに適用された、エンジニアリングマネジメント(MIL-STD-499A)を製造業における新規開発プロセスに応用すれば良いのではないかと思い、P2M活用ガイド作成ではこの考え方を参考にして機械業界のプログラム&プロジェクト統合モデルの事例としてまとめさせていただきました。
 エンジニアリングマネジメントの最終アウトプットは製品仕様書等ですが、これを新規開発製品に置き換えて考えたものです。この考えは割りとすんなり機械業界のプロセスにあてはまりました。また同様に、製造業はどのような分野でも製品を市場(お客様)に提供するという最終目的がありますので、P2Mが提唱するプログラムマネジメントが製造業のどの分野でも、必ずどこかで活用できるものであると確信できたことも、委員会に参加して得られた大きな成果でありました。
 また、機会があればエンジニアリングマネジメントとP2Mの違いや共通点などについて考察を進めてみたいと思っていますが、米国では1995年にMIL-STD-499A(エンジニアリングマネジメント)が廃止されており、ミリタリースタンダードとしてのシステムエンジニアリングは存在しなくなっています。今後の航空機産業において米国がシステム(プログラム)の考え方をどのように進めていくのかが興味深いところです。PIMBOKを適用していくとの声も聞こえておりませんので、ますますグローバル化していく航空機産業の中でP2M活用ガイドが利用される場面も出てくるのではないかと思い、期待しております。
 今回は貴重な経験の場を与えていただき、本当にありがとうございました。
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