P2M研究会
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東京P2M研究会報告

田中 英男:5月号

東京P2M研究会を4月8日に開催しましたが、今回は報告書作成のための、総合的なまとめを行った。
概要:
1. 報告書資料
(1)資料1:平成19年度 東京P2M研究会報告書
    報告書内容:
I.基礎編
 報告書I−1 価値はどこから生まれるかの考察 渡辺 貢成
 報告書I−2 プロファイリングマネジメントにおけるシステミック
            シンキング(統体思考)の考察 (俯瞰力と洞察力)
渡辺 貢成
 報告書I−3 プロファイリング・マネジメント洞察モデルであるOWモデルの深耕 田中 英男
 報告書I−4 組織能力の可視化に関する研究(シャープの事例)
            〜OWモデルによるシャープの研究〜
内田 淳二
 報告書I−5 洞察力モデル下部空間のモデル化思考 虎谷 彰
 報告書I−6 多方面で採用されたアーキテクチャーの紹介 渡辺 貢成
II.実践事例研究編
 報告書II−1 ITプロジェクトの契約・法令に関するリスク 梶原 定
 報告書II−2 プロファイリング・マネジメント洞察力モデルの事例検討 国谷 正
 報告書II−3 プロファイリング・マネジメント事例研究
      〜事業環境の変化に適用するための現場と経営をつなぐ
       仕組みつくり〜
藤澤 正則
 報告書II−4 ウイキノミクスと新しいビジネスモデル 山本 啓一郎
 報告書II−5 プロファイリング・マネジメント事例研究 仲田 弘
 報告書II−6 IT産業の問題点とその対策 渡辺  貢成
III.応用編
 報告書III−1 P2Mを活用した大学におけるサステナビリティを意図した新教育手法の実践 渡辺  貢成

2. 主な討議検討内容
  • 上記配布報告書は各人持ち帰って読んでいただいて、後日コメントや感想を渡辺貢成氏へメールで送っていただくこととなった。
  • 今回は平成20年度の研究テーマについて議論した。いろいろな議論がでたが、今年度は“人材育成”をテーマはしてはどうかとの意見があった。
    この人材育成とは現場力育成であり、経営者育成である。研究会メンバーの各人の会社にP2Mの考え方(例 O/Wモデル、技術とマネジメントの問題、プロファイリングマネジメント、プログラムマネジメント、スキーム/システム/サービスモデルにおける短期および長期的な価値創出他)を適用して、そのための人材育成とはどのようにすればよいかを考える。
* 議論されたその他の主な点は次のとおり。
1) これまで地方自治が行ってきた地域開発は県外や当該市以外から人を集めることに主眼が置かれ、検討と補助がリンクしてほとんど成功していない。これからの地域開発は住民にとって望ましい開発を中心にするべきではないか。
これからの日本が世界に認められるのは文化で、デバ地下の繁栄、漫画の将来を読む力。若者が集まってわいわいがやがやの中から何かが生まれてくると考えています。基本的に人を集めることではなく、人が集まる仕組みをつくることではないかと考えています。今の若者の力を世界に発信する人材の出現が待たれます。
その意味で地域の人の自律的な活動なくして地域開発は成功しない。商店街の商店主に活性化したい意欲があるのか。
2) これからの日本をどのように見るか。楽観的な見方と悲観的な見方と2通りある。製造業の日本、金融業の米国。幸せ感とはなにか。豊かさは金ではない。米国の金融政策が必ずしも成功したともいえないし、金持ちが増えたから幸せになったともいえない。日本の老人のアンケート調査では、幸せと答えた人が歳を取るに従って増加しているというアンケート結果である。
3) 最近読んだ本で面白かったのは「日本文明世界最強の秘密(2008.3.7.初版)」、文明はモータリゼーション型文化から鉄道による都市集中型文化への発展があると言うものです。
「日本のフロンティアは日本の中にある」日本は文化的に最先端を歩いている」(2000年3月初版)
「あと3年で世界は江戸になる」(2007年11月初版)
4) 食ビジネス他:デパ地下を上海にもっていったら売れるのではないか。日本が誇れるものはいろいろある。価値は技術だけではなく、どこにでもある。
5) 川越市についてはP2Mにもとづいた提案をしており、最近その提案がみとめられつつある。
6) 欧米の発想では都市化が進むと中心部が貧困者に占領され犯罪が増える。従って欧米諸国は郊外化政策を取っている。これに反し日本だけが大都市で犯罪が減っている。これからは東京発信の文化が期待できる。
7) 地方自治の長が自治を治めることはきめられたルールに従って堅苦しいか手繰るしいやり方を行っている。われわれにも「失敗する自由があってもよいのではないか」と主張。
     以上はP2M研究会の議論の主な内容である。
以上
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