PMP試験部会
先号   次号

=韓国便り=

PMP部会 KP 三浦 進 PMP:12月号

筆者は今韓国で仕事をしている。昨年8月に新規のプロジェクトに入ることを命ぜられ、今年2月から韓国に単身赴任となった訳である。PMAJの皆様にはご迷惑をおかけすることになり、副理事長職も辞任し暫く協会活動はお休み、担当のプロジェクトが大型であり、韓国での仕事の後は中東の建設現場で2010年まで働く予定である。 帰国後はまた協会活動のお手伝いを始めたいと思っており、現在はROMメンバーである。これは、部会メーリングリストには残して頂き、協会・部会活動にも時々触れたくRead Only Memberであることをいう。

韓国は仙台と同じような緯度に位置しているが、気候は大陸性で(筆者の勝手な判断であるが)日本より湿度は低くまた冬は零下になることも多い。筆者が滞在している所はソウル市内の北側で、行かれた方も多いと思うが、市庁舎、景福宮や大統領官邸に近いところで、秋は紅葉が大変綺麗で、歴史を感じる街である。筆者がはじめて韓国に出張したのは1987年であるがこの20年で大きく変わり日本と変わらないような都会となっている。また、大きく変わっているのが為替レートである。昔の1万ウオンは700円程、今は約1300円であり、食生活など日本と変わらないかむしろ高い。しかし、東大門・南大門市場とかアンダーシャツ4枚で一万ウオン等とても易い買い物も楽しめるところである。

仕事の話になるが、昨今の大型プロジェクトは1社で進めるリスク回避のためにも、多くのプロジェクトをこなすためにも、海外のエンジニアリング・建設会社と協業することが普通になっている。筆者が担当しているプロジェクトもその一例である。 FEED(前段階の仕事)を日本で韓国の会社と一緒に行い、詳細設計は韓国、現場工事は韓国の会社主体で進める。

日本人はなかなかグローバルに馴染めない一面があるが、これからの仕事はどんどんと外に出て行く、出て行くというより海外の人達と一緒に仕事が出来ることが必要である。韓国人、日本人と外見は似ているが、考え方は国民性や会社の文化によって異なる。同じ顔をしているからと言って、同じように考え動いてくれるとは限らない。押さえるべきところは、P2Mで言えば異文化交流でいうところの高コンテキスト文化度の判断、日本のようなグリーンエリアに対する対応(曖昧な部分多いが、狭間の仕事をカバーし合える文化・環境か)、PMBOK®で言えばプロジェクトを開始するために考慮すべき組織の環境要因、組織の文化の把握である。一般的に韓国に限らず外国人は日本人と異なる、極端にいうと問題と解っていても自分の責任範囲外のことには手を出さない。対応策としては、まずはスコープを明確にする、理解・合意させることに力をいれること、次に仕事が流れるようにプロジェクトの上流から下流への決められたスケジュールにキチンと成果物を渡すことである。これが崩れるとプロジェクトはがたがたになってくる。
韓国の会社は当然に彼等の仕事の進め方があり、それを尊重、把握して進めなければならないが、一緒に進めて客先のプロジェクトマネジメントを含める要求事項に対応して安心感を与えることが出来るのか、協業の仕事には難しさがあり、そこがマネジメントの要となる。また、同じ目的に向かい同じ船に乗っているとのチームビルディングが大切、飲み会も必要で多くなる。

筆者の協業先でも、PMI PMBOK®によるPMP®の取得が奨励されているようである。筆者のチームの女性エンジニアも試験勉強中で、時々話をしてあげている。日本には、日本のPM標準P2MがあるのでPMP®に合格したら、P2Mを勉強したらと話している。英語版発行の計画はどうなっているのだろうか、ふっと気になった次第である。暫くは協会のお手伝いが出来ないが、帰った時には会員数も増え、部会活動も活発にネットワーキングも進んでいることを期待している。
以上
ページトップに戻る