P2M研究会
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P2M研究会の8月活動報告

山崎 司:9月号

P2M研究会の活動報告(東京・関西)
1.東京P2M研究会活動状況

■東京P2M研究会2007年度第3回例会(参加者8名)
日時:8月7日(火) 18:30〜20:45
場所:ENAA 7階 7A会議室
議題:
1. 今後の進め方
2. 2007年度の研究テーマについて
3. 意見および情報交換

<議事内容>
1.今後の進め方
・各自が担当する研究テーマを設定する。
・研究テーマの目次作成(9月4日)
・合宿の開催(10月6日@日揮みなとみらい)
・定期的な勉強会・情報交換会の実施

(2) 2007年度の研究テーマについて
これまで、各メンバーから出された研究テーマ。
 @OWモデルの深耕(競争力源泉のレーダーチャート・モデルの作成)
 A地域開発分野におけるP2Mの活用例
 BWeb進化論(Webの進化で社会はどのように進展するか)
 C社員力の研究(ITに何が足りなかったのか)
 D築地市場の移転についての考察
 EP2M版マーケティング戦略の研究

3.意見交換
問題解決の手法・キーワード等について、メンバー間で文献紹介や活発な意見交換が行われた。
(1) 日本企業が置かれている環境とP2Mの活用によるブレークスルーについて
  • グルーバル競争の進展と少子高齢化は、日本国企業にとって成長を阻害する壁ともいえる環境要因である。
  • BRICsやVISTA諸国など経済発展の著しい国々との競争においては、もはや労働力の供給量と労働コストという二つの面では対抗する余地は無くなっている。
  • とくに、高度経済成長時代の強みであった「インプットの量によって維持される質」、ならびに日本人が忘れてしまって久しい「ハングリー精神」の発揚によって、わが国産業が優位性を取り戻すことができるだろうということは現実的ではない。
  • めぼしい天然資源もなく、産業政策についての戦略性に期待ができない中で、グローバル競争における優位性の源泉をどうやって確立するのか真剣に考えなければならない。
  • 企業自ら国際化しながら、多様な人的資源によって強固な知的生産のシステムを構築し、競争に打ち勝っていくため、新しい価値を継続的に生み出してゆくこと以外の選択肢はないといえよう。
  • 「価値創造」を主眼におくP2Mの真価がまさに問われようとしている。

(2) 社員力革命について
  • 日本企業が真に復活するためには、社員が利益を生み出す社員力革命が必要である。トヨタ自動車、松下電器産業および武田薬品工業などの強い会社は、ボトムアップ方式による人材基盤の強化を実現している。
  • 日本企業はヒトの面からのアプローチによって、利益を生み出し続ける社員・組織づくりを行うことがこれまで以上に重要である。

(3) 地域開発とP2M
  • P2Mを地域開発に応用するにあたっては、身近な場面から始めるのがスタートを切りやすいと思われる。
  • また、あえて「地域に対する思い入れ」を意識して、地域活性化のコンセプトを考えてみると様々なアイデアが浮かんでくるのではないか。

(4) 問題解決における仮説と検証の活用について
  • 問題解決の第一歩は、「問題がどこにあるのか」や、「なにが問題なのか」を、自分で見つけ出すことである。
  • 少しでも疑問を感じたらとことん追求し、この問題の本質はどこにあるのかを自分に問うことを繰り返すことが不可欠となる。
  • そして、なぜその問題が発生するのかという原因に着眼し、何をどうすればその原因を排除できるかという仮説を立てる。重要なことは原因に対し、「このような対処をすればこうなるのではないか」との仮説を設定できるかどうかである。
  • 仮説を立てたら次に、その検証を行う。もちろん仮説なので、そのままそれが問題解決に繋がるとは限らない。
  • 仮説がうまくいかないとわかったら、そこで新たに仮説を立て直す。あるいは仮説を実行した場合、そこで新たに問題が発生するかもしれない。そうしたらその問題の原因を探り、取り除くための仮説を立てる。これを真の解決策にたどり着くまで、何度もサイクルを回すのが問題解決における仮説と検証の活用パターンである。

(5) 問題の構成要素の可視化について
  • 今日の大規模で複雑化した問題を大所高所から俯瞰してみると、非常に多くの要因が関連していることがわかる。
  • その関連構造をわかりやすく可視化すること、すなわち理解しやすい形に構造化し、表現してみることができれば、問題解決にとって極めて有効な技法となりえる。
  • 一般的な問題において解決策を模索するような場合、問題とその構成要素の関連構造をさまざまな視点から考え、問題の関連性を理解しやすい形(グルーピングやフローチャート)に表現して思考を巡らすプロセスが重要である。
  • 問題解決のための新たな切り口やアイデアを得るための方法は、ブレーンストーミングやKJ法などいくつもの手法が考案されてきた。 ・問題とその構成要素のつながりが可視化できれば、問題の本質をフォーカスすることや、関連性の認識・理解を促進する効果が期待でき、問題解決を行うための仮説の設定なども行いやすくなると思われる。

4.次回会合について
・次回は、9月4日(火) 18:30〜20:30を予定。
・ 各自研究テーマの目次を作成すること。

(2)関西P2M研究会活動報告
KN07-02
第3回関西P2M事例研究会議事録
2007.8.24 事務局

1. 日時 2007年8月22日(水)16:00-18:00
2. 場所 松下電器PSS社 新大阪和幸ビル903会議室
3. 出席者 小石原健介、海蔵三郎、岩崎幸司、酒井直二、太田隼人、土肥正利
林健太郎、坂口幸雄、戴春莉、佐藤光弘、栗林博、三浦弘光、安達正人
守能昇治、東秀和、藤本祐史、奥田英雄、玄耕太郎、中江正雄、藤山洋一
松谷知成(記) 順不同

4.議事内容
 1)新メンバー紹介
 奥田英雄、藤山洋一、栗林博 各ご紹介と自己PR

 2)ジャーナル29号(次号)P2M研究会特集について   小石原主査
 *短納期での原稿まとめ、全リーダ対応していただき御礼申し上げたい
 ・各リーダーからまとめのポイントご解説
 ・次号が楽しみであるが、発刊は何時?
   
 3)各分科会報告
   <定例報告と議論>    各10分報告とQ & A
@ プロジェクトXに学ぶ         (リーダ 小藪氏) 9名
・ 予定通り毎月分科会開催
・ 今年度は組織力、チーム力に焦点当て取り組む(昨年はリーダー個人に焦点)
・ 組織力の『評価基準』模索
      −論文、文献、資料探索(例 新撰組、八甲田山、リーダーとフォロアー他)
A P2M企業型アーキテクチャー研究  (リーダ 岩崎氏) 5名
・ 新メンバー(玄氏)加えて実践事例拡張と深堀
・ アーキテクチャーマネジメントから改革・改善マネジメントへ
   −含むOWモデル当てはめ
・ その為に論文、報告書の輪読会開始
   −ガイドブック改訂版にてP2M理論解釈と理解
   −土曜日中心に輪読会スタート、分科会メンバー外の参加も歓迎

BPM人材育成−不特定のテーマによる課題研究  (リーダ 佐藤氏) 6名
・ 新メンバー2人(栗林氏、藤本氏)加えて動き出して行きたい
・ 11月度合宿にて議論、まとめの方向付けができるところまで詰めたい
<特別報告と議論>  各30報告とQ & A
@ EVMの活用と導入のポイント   (リーダ 安達氏)  5名
・ 各月の分科会開催、8月度は20日に開催議論を掘り下げ
   組織成熟度(CMMI),PMO関連資料持ち寄り議論
・ 7月度関西例会にて報告
    −要旨説明と、アンケート等からの意見反映させて今年度取り組む
・ 重点取り組み
   ―組織成熟度とEVM適用要件相関チャート
   ―EVM導入におけるPMOの設置方法と変更管理相関チャート
・ 合宿までには、組織成熟度とEVMとの相関関係調査のQ & A集作りたい
  ―PM成熟度に関する芝尾論文参考に、合宿時にアンケートとりまとめたい

A 情報システムの中国へのオフショアー開発に関する研究 (リーダ 坂口氏)6名
・ 新たなメンバーで第1回目分科会7月20日開催、テーマ課題共有化
    ―メンバー全員が、オフショアーに関して業務で関係、課題意識旺盛
    ―8月度は24日予定:戴さん事例(戴さん)中心に議論
・9月度は、『南京へのソフトウェア産業視察』企画  ――戴さん説明
    −南京大学(情報処理学科視察&交流):戴さん出身校
    −江蘇省情報庁ソフトセンター、地元ソフト会社視察交流
・ 戴さんより課題提起
    −日本人SEの現場力低下(プログラムを知らないPL増える)
    −ユーザからの要求にこたえられない
  *SE力だけでなく、製造現場全体に低下(品質トラブル、事故他)
  ・ 視察内容も最終まとめに生かしたい
以上
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