P2M研究会
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P2M研究会の7月活動報告

山崎 司:8月号

1.東京P2M研究会活動状況
■東京P2M研究会2007年度第2回例会(参加者12名)
日時:7月10日(火) 18:30〜20:45
場所:ENAA 7階 7A会議室
議題:
(1) 「考えるPM講座」の紹介
(2) 2007年度の研究テーマについて

(1) 東北大学「高度技術経営塾」の「考えるPM講座」の紹介
  • 7月3日NHKの番組クローズアップ現代にて当講座が紹介された。
  • PMAJはポストドクターの実践的教育の一環として「考えるPM」という講座を受け持っている。当講座においてOWモデルを教えたところ、自分たちが抱えている研究開発上の問題を取りあげ、OW曼荼羅図を使って、曼荼羅図を4層まで掘り下げ、たちどころに問題解決が出来た。彼らは自分たちで問題に取り組み解決できたことに大変満足して講座を修了した。
  • まず、「問題とは何か定義せよ」という問いかけを行った。問題とは「あるべき姿」と「ありのままの姿」とのギャップである。問題解決とはこのギャップを埋めていくことであるとの解を導き出した。
  • 次に、「プロジェクトとは何か」について議論した。使命、目的、目標が明確になっている特定の活動であると定義されたことによって、自分たちには関係のない世界の事象だと思っていたポストドクター達が、「自分たちのやっている研究はまさにプロジェクトだ」と気づいた。
  • PMに必要とされる特殊な能力は何かとの問いかけに対しては、リスクに対する認識・予知・解決能力であることで意見が一致し、さらに下の階層に分類(ブレークダウン)がなされた。
  • 議論にあたっては、まず立って皆の前で説明することをルール化した。一人で考えているとこのようには展開しない。コミュニケーションによって、きちんと伝えることが必要である。
  • 日本人は「知識はあるが、成果物を出さない」とよく言われている。知っていることと、実行することは10倍くらい難しい。知識を実行に移し、現実に適合させていくことは、壁をいくつも乗り越えなければならないからである。

(2) 2007年度の研究テーマについて
以下三つの切り口にて、議論を行った。
 @ 本年の共通研究テーマ
 A 個人で研究を行いたい個別テーマ
 B 共通勉強会的テーマ

<自由意見>
  • 全員で取り組める共通テーマを希望したい。仲間を募って研究することは、自分と違う視点で物事を捉えることによって、今まで見えなかったものが見えてくる。わかっていなかったことがわかってくる。
  • 成果物を残すことも重要であるが、異業種のメンバーの方たちとの情報交換も期待している。
  • アルビレックス新潟の事例研究のように、身近なテーマを取り上げるのが、情報を得やすいしイメージしやすいのではないか。
  • 全体最適化に重点を置く自治体運営にP2Mが活かせるのではないか。
  • 町づくりの具体的な実践プロセスは先送りになりがちである。
  • 会社の中で出世することを人生の優先課題としても、60歳までの世界観での話である。退職後の人生は長い。ライフサイクルMGTをうまく行って、これからの人生を楽しく過ごすことのほうが大切である。過去を振り返るよりも、未来のことを考えるほうが楽しい。
  • 老化とは年齢のことを言うのではない。人は意欲がなくなったときに老化(老人化)するのである。
  • 仕事や担当業務を変わってゼロから出発しても、最初は難儀であるが、3年後には成長した自分がいるはずである。
  • 問題解決の第一歩は、発生している事象を分類し整理することである。また色々な角度から考察することも肝要である。ひとつ乗り越えると見えてくるものがある。

<俎上に上った研究テーマ>
  • SSM アジャイルシステムズアプローチに関する研究
  • OWモデルの進化形の研究(携帯電話事業のOWモデルによる分析)
  • 少子高齢化するわが国社会システムのあるべき姿の考察
  • 教育問題・人材育成・組織力の向上(ヒトと組織)に関するプロファイリングマネジメントを切り口にした研究
  • 農業問題(わが国の自給率の低さ)の解消のための研究
  • 中央卸売市場が移転する予定なので、移転後の生き残り策
  • 戦略マネジメントにおいて、マーケティングにフォーカスした深堀り

(3) 次回例会について
@日時 2007年8月7日(火)18:30〜20:30
A場所 ENAA 6ないし7階会議室
B議題:2007年度研究テーマ他

以上
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