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「ITベンチマークSIGとの連携について」
〜ITベンチマーキンクSIG〜

富士通株式会社 木野 高史:7月号

1.はじめに
 私は当社(富士通)のPMプロフェッショナル認定者のコミュニティの事務局として過去数年、当社コミュニティ運営に携わってきました。どこのコミュニティでもオーソドックスな活動として有志が集まるワーキンググループ活動(以下WG活動)や年に数回開催される例会活動があると思いますが、当社も同様の形態です。
 今回は各社でコミュニティを運営される方々の参考のため、このような社内コミュニティ活動とIT−SIGの活動との連携の事例をご紹介したいと思います。

2.社内のWG活動とIT-SIGの連携
 当社の社内WG活動は、IT−SIGと同様に特定のテーマに興味を持つ有志が集い、研究活動を通じて成果をまとめ、社内への発表やweb上で成果を公開するという活動を行っています。
 テーマはコミュニティメンバから毎年募りますが、IT-SIGのテーマとたまたま類似のテーマがあがってきたり、当社のWG活動のテーマが発展的にIT-SIGのテーマに衣替えしたりということがあります。たとえばIT-SIGの「PSと人材活用WG」は数年間継続して活動中ですが、当社内でもたまたま「PS測定」をテーマにした活動を実施していました。ところが社内だけでは世界が狭いということもあり、IT-SIGの上記WGに参加することになり、現在では「PSと人材活用WG」のサブWGとして「PS測定」を位置づけ、かつ当社のWGも兼ねて活動するという形態となっています。
 またIT-SIGで現在活動中の「TPSに学ぶPM」というWGがあります。このテーマが立ち上がった前年には当社内のWGで「トヨタ式の適用研究」というWGがあり活動いたしました。このテーマを発展的にとらえ、もっと社外の方の英知を集めたいという目的でIT-SIG内のテーマとして当社から提案したものが「TPSに学ぶPM」というわけです。事実、社外のテーマに格上げしたことにより、コアメンバの方々やその幅広い人脈を通じた有識者の方々から、いろいろな示唆をいただき活動のサポートをしていただいています。
 今後ともこのような形で社外の方のお知恵をいただくためにIT-SIG連携して活動していきたいと考えています。その場合には"Give and Take"ならぬ"Take and Take"になりそうですが、是非社外の方のお知恵をお借りしたいと思っています。よろしくお願いします。

3. 社内WG活動の経緯とIT-SIGへの提案
 社内WG活動は2002年ごろから始まり6年目に入りました。活動経緯を振り返って見ますと、途中で質的に方向転換を加えた時期がありました。
 開始当初はコミュニティメンバも数十人と少なく、WG活動への参加意欲も全員が高く、全員参加の形で高度なテーマに取り組んでいました。しかし、コミュニティメンバの数が数100人と増えて来ると、全員参加はさすがに難しく、テーマ的にも高尚なテーマばかりでは若いメンバが参加しにくいという事情も生まれてきました。
 このような背景から当社のWGではテーマの多様性を考慮して、どんな年齢層のメンバでも参加しやすいものとしてWGのテーマの目的を再定義し、方向転換を図りました。具体的には高度なテーマから同好会的なテーマまで3段階(*注)の難易度のテーマを募集し、メンバを募りました。
 高度なテーマはビジネスと直結するクリティカルな課題の解決策を検討し有効なアウトプットを生むことが活動目的になります。一方、同好会的なテーマではアウトプット自体よりもメンバ間の親睦/交流/人脈作りを活動目的にしました。因みに同好会的なテーマの例としては「PM文献研究会」や「PM論文研究会」といったように、活動を通じて参加者同士が交流できることを主眼とした多様なテーマで活動しています。
 私はこの方向転換はコミュニティ規模を拡大するためには必要で、成功であったと思っています。とっつき易いテーマ設定によりWG参加者の層を厚くし、人脈を拡大する場を提供するということもコミュニティの重要な役割だと認識しています。
 そこで提案ですが、IT-SIGでもこのような肩の凝らない同好会的なテーマを幅広く募集して、もっと若い層のWG参加者を増やしていくということがあってもよいのではと思っています。是非ご検討ください。

*注)上記の2つの活動目的を分類するため、「課題解決型WG」「研究会型WG」と呼んでいます。因みに残りの一つの活動目的は、ある仮説(企画された手法/ツールなど)があった時にその仮説が実際に有効なのかどうかを、コミュニティメンバが活躍しているフィールドにおいて試行して検証してみようというWGで「仮説検証型WG」と呼んでいます。

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