P2M研究会
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P2M研究会1月活動報告

山崎 司:2月号

東京P2M研究会活動状況
■ 2007/1/22(月)P2M研究会 第11回(参加者5名)18:30〜20:45
場所:ENAA 7階 7A会議室

<議事内容>
I 戦略マネジメントで活用される主要なセオリー・手法について
  講演者:山崎
1.戦略の定義と必要性
  もともと軍事用語。
2.階層別分類
  経営戦略、事業戦略、機能別戦略がヒエラルキーを構成している。
  戦略を語る際には、どこのレベルに該当するのか意識する必要がある。
3.P2Mにおける戦略を意識したプログラムマネジメント思考法
(1)ゼロベース思考
  既成の枠を外して可能性を広げる
  今までの枠にとらわれないで視野を広げる
(2) MECE
  モレ、ダブリ、ムダなく要素を列挙する。
  ツールとしてロジックツリーを紹介
(3) オプション思考
  つねに複数の選択肢を視野に入れる。
  例:事業の将来性を考える場合の3つの選択肢
   @事業の再建
   A事業の撤退
   B事業の売却
(4) フレームワーク思考(問題解決の枠組み)
  本日のメインテーマ
  事業戦略策定計画プロセス(コンサルティングファームでのゴールデン・ルール)
4.フレームワーク思考と各種ツール
  問題解決の枠組みに関する「流れ」の掘り下げとビジネスツールの紹介
   (1)ミッション・ビジョン(あるべき姿)について
   (2)環境分析
   (3)SWOT分析
   (4)目標(ドメイン)の決定
   (5)戦略の立案
   (6)プログラムの策定
5.応用事例
   (1)新会社設立(経営戦略)
   (2)健康管理対策(事業別戦略)
   (3)会社を明るくする施策(機能別戦略)
6.まとめ
  P2Mの世界へのグローバル・コモンビジネスランゲージの取り込み
  ・ なじみ易い(既視感があるため)
  ・ 理解を深め易い(他文献との整合性。探究心の充足がモチベーションを維持向上)
  ・ 応用し易い(シンプル→覚えやすい・見せやすい)

II.プログラム統合マネジメントのプロセス化について
  講演者:渡辺殿
事例:日本の農業問題と農業従事者の増加対策
 1.「あるべき姿(to be)」構築
 (1) 仮説「あるべき姿」構築のための外部環境情報の収集
 (2) 仮説「あるべき姿」構築 4P法
  @ Purpose:目的軸
  A Position:立場軸
  B Period:時間軸
  C Perspective:俯瞰軸
 2.まとめ
 (1)農産物の選定
 (2)農業の内容と調査
 (3)選ばれた農業スタイルと経営の視点の検討

■ P2M研究会合宿検討 第2回(参加者8名)
I 概要
1.日時
   1日目:2007年1月27日(10:00〜18:30)
   2日目:2007年1月28日(9:00〜12:00)
2.場所
   日揮 横浜本社 615会議室

II 討議事項
1日目
1.合宿にあたっての事前確認・合意事項
 (1)2日間の討議項目について
  ・各担当者の課題進捗状況の報告
  ・講評と今後の進め方の確認
 (2)P2Mについて(改訂作業に関して)
  EA(エンタープライスアーキテクチャー)の事例
  ・トップダウン、ボトムアップ双方向ともに情報に脈絡がないと価値を生まない。
  ・投資コストの内、メンテナンスで80%を占める場合がある。
  ・ハードは、定義しやすい(見える)
  ・ソフトは、定義しにくい(見えにくい):例:地域開発など
  ・プロダクトマネジメントとは、成果物があるのが基本形である。

 (3)報告書のスケジュール・書式について
 @スケジュール
報告書スケジュール

 A書式について
    ・枚数は特に制限を設けない。
    ・書くこと自体とスケジュールの遵守を重視する。
    ・ 出来る限り参考となる事例を紹介する
    (読み手がどのような場面でどうやって使えるのかイメージしやすくするため)
    ・基本的に1段組とする。
    ・詳細を説明するシートは、最後につけると見やすい
    ・プロセスが入っているようにする
    ・字体はワードで10.5ポイント

2.各担当者の進捗状況
 (1)戦略マネジメントで活用される手法の紹介(山崎)
  ・別紙資料での説明
  ・フレームワーク思考をいかに実践に応用しやすくするかを前提にツールを紹介。
  質疑応答・意見
  ・応用例を導くために各種ツールとのつながりがわかると良い。
  ・事業計画プロセスにおいて、ナンバリングシステムを入れて説明をすべき。

 (2)プログラム統合マネジメントのプロセス化(渡辺殿)
  ・「日本の農業問題と農業従事者の増加対策」を事例のひとつとする。
  ・事例を示した方がわかりやすいから。
  ・本事例は中小企業、ニッチ産業のビジネスモデル構築にも応用できる。

  質疑応答・意見
  ・プロファイリングの手順化が必要であると考える。
  ・ビジネスパーソンに重視される資質は、EQからSQに移りつつある。

 (3)OWモデルを構成する諸要素、ナレッジマネジメントのためのP2M(内田殿)
  @OWモデルを構成する諸要素
  ・OWモデルを構成する諸要素の分析(マーケティング、リスク、戦略など
  ・OWモデルによって、経営そのものが何でできているかを展開する。

  AナレッジマネジメントのためのP2M
  ・野中郁次郎先生(日本のナレッジマネジメントの権威)の理論をベースとする。
  ・知識を定常、定量的に創出していた(日本のミドル層)
  ・暗黙知から形式知へ、最終的にビジネスモデルの創出に貢献できるのではないか。
  ・あるべき姿のプロトタイプを使用して、あるべき姿をまとめていく。
  ・事例としては、どういう知識を使って、商品をつくったか等が考えられる。

 (4)ITシステムの開発時における品質向上について(仲田殿)
  ・ISO9126(ソフトウェアの品質)について深堀りを行う。
  ・業界紙において同業他社とのCS比較がなされた。
  ・品質vsコストについてトレードオフの関係が品質の最大阻害要因にはならない。
  ・「納入後、いかにバグのないシステムをつくる」のが信頼性向上のキーである。

   質疑応答・意見
  ・問題解決のプロセスとしてロジックツリーの利用が効果的ではないか。
  ・宇宙におけるソフト・ハードのリスク管理が参考になる。
  (不具合発生の場所を分析するのがNASAの手法)
  ・松雄谷さん(NEC)バグの研究が参考になると思われる。
  ・研究内容を絞りこんで形にする方がよいのではないか。
  ・効果的な事項、組織などを集める小集団活動での品質向上も効果的な手法といえる。
  ・品質向上には、全社的な取り組みと、お金がかかる。
  ・一気にゴールまで到達することを求めず、今回の報告を提案でまとめるのも一案か。

 (5)横断的提案力の強化による企業価値の創造(虎谷殿)
  ・国や自治体の発注先選定の基準についての方向性についての提案
  ・建設業界側から提案を行うことが、今回のプロパーサルの主眼である。
  ・総合的な提案できることが価値となる。
  ・具体的には総合評価方式での事業者選定方式を確立させたい。
  ・コスト競争激化の結果、品質に影響?
  ・提案型営業のプロポーザル作成には独立したソリューション機能が必要では。
  ・OWモデルを使ったブレークスルーの企画を目指したい。

   質疑応答・意見
  ・本質的な問題は何かをつきつめ、ゼロベースから発想することが肝要である。
  ・建設会社の競争力とは以下両面であろう。
    技術評価点(設計:環境、省エネ、環境配慮、保守管理のしやすさ)
    価格評価点
  ・同じコストでも高品質が達成可能である。
  ・客先側のリスクより、ベンダーのリスクが大きい
  ・組織の対応が求められる。(リスクを犯してでも、新規ベンダーの活用を図る等。)
  ・国内の客先は機能中心:使わない機能までいれないと満足しない。
  ・これが高コストになりやすい
  ・海外では、要求されている機能が明確になっている。
  ・農耕民族と狩猟民族の違いか。習慣を変えることは難しい。

 (6)洞察力モデル(国谷殿)
  ・新たな洞察力モデルの提案と分析事例を報告書の内容とする。
  ・洞察力は、色々な切り口がある
  ・実践力の切り口(OWモデルは経営的視点)
  ・洞察力をみる視点(ニーズから視るのが一般的)
  ・複数の切り口で見て、目的展開を図りたい。これによって問題点の把握もできる。
  ・意思決定のため、目的から目標を導き出すことが必要である。
  ・問題解決の共通観としては、仮説を立て検証するサイクルを回す手法がある。
  ・洞察力をどこから持っていくか。(制約条件を少しずつ取っていって、ゼロベースにしていく考え方もある。)

 (7)ビジネス法務研究:IT業界(梶原殿)
  ・経済産業省の中間報告書に基づき、契約などの法務について、業務遂行面で知っておかなければならないことを体系的にとりまとめる。
  ・下請法が改正され罰則が強化された。(親会社、子会社の会社との関係において法違反がないか、公正取引委員会が着目している。
  ・従って、IT業者のコンプライアンス面が一層シビアになっている。
  ・経済産業省の報告は、膨大なボリュームとなっているが、サマリーやリンクによって使い勝手の良いものを作りこみたい。

 ・契約方法に関する留意点
    ・請負と準委任
    (多段階契約)
    ・著作権:請負の場合は、開発者に所属
       強制法規
       任意法規(両者で決める)
       原則は、請負者側
       完成責任は、受託側
    ・準委任:役務に対して、契約する。
       (ノウハウに対して、対価を払う)
       (完成責任・瑕疵担保責任はない)
    ・フェーズでの契約方法を分けることもある(請負型、準委任型)
     企画、開発から運用、保守

 (8) 食ビジネスにおけるプロファイリングマネジメントの事例研究(藤澤殿)
  ・中食製造メーカー編を対象としたコンサルティングを主軸とする。
  ・報告書を纏めるにあたってのチェック事項
   相手先の意識改革を前提とする。
   プロセス化
   各フェーズでのチェックポイントをより明確化する。

2日目
1. 前日の講評と今後の進め方
詳細は省略
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