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「夢工学(52)」 川勝 良昭 [プロフィール] ：2月号
今の地位にいる間は冒険を犯したくない、失敗したくない、地位を失いたくないなどが理由で、新しい提案や夢のプロジェクトを破壊した上司や社長のことを前号で紹介した。そして他社は敵であるが、社内の上司や社長も敵であったことを指摘した。 赤字覚悟で新しいことに挑戦した某社は、IT産業の進展とブロードバンドの普及を背景に急激にその赤字商品の販売市場を伸ばし、ドル箱の利益商品することに成功した。一方、利益商品である旧来品の改善でお茶を濁し、既得顧客と既得市場に甘んじていた某社は、急激な市場と環境の変化のため驚くべきスピードで赤字商品に転落させた。そればかりか、その赤字転落が命取りになり、信じられない速さで同社は傾き、遂に倒産した。  夢破壊者 ●悠々と生きるB1 社内の敵である夢破壊者の代表格であるB1を発見することが出来たら、次はいよいよB1による破壊工作を排除せねばならない。これが悪夢工学の最後の課題である。 残念ながら破壊工作を排除するクリーンカットな問題解決策は乏しい。何故なら破壊工作を排除する行動が新たな問題を引き起こすからである。また排除する動きを察知したB1は、ますます用心深くなり、水面下に潜る。そして己の利害のためますます巧妙な破壊工作を押し進めることになるからだ。 B1の破壊工作は、表面化しない限り｢非道徳的行為｣として社内や世の中で非難されることは一切ない。またそれが犯罪構成要件に該当し、顕在化されない限り、｢内部告発｣や「起訴」などを誘発することも一切ない。そんなヘマをB1はもともとしない。そしてB1は、悠々と生き、組織の階段を確実に上り、最後にトップの座を射止めるのである。 ●表技(オモテワザ)の排除法とは B1などの夢破壊者の破壊工作を排除したり、B1などを組織活動メンバｰやプロジェクト･メンバｰから外したりする表技(オモテワザ)の排除法を以下に記した。これらは一見クリｰンカットな排除法に見える。しかし現実には必ずしもそう巧くはゆかない。次号以降でこの排除法を順を追って説明する。 表技(オモテワザ)の排除法 排除命令―――B1の破壊工作を排除する命令 異動命令―――B1に対する他部門、関連会社等への異動命令 転籍命令―――B1に対する他社への転籍支援と転籍命令 解雇命令―――B1に対する解雇  B1の破壊工作、またB1を如何に排除するか ●裏技(ウラワザ)の破壊工作排除法とは 表技の欠点を補う裏技(ウラワザ)の破壊工作排除法が存在する。この方法は極めて効果がある。しかし性格評価法の章で述べたと同じ理由で裏技の破壊工作排除法を読者に公開することを止めた。この問題をどうすればよいか逆に読者の意見を聞き、対処したい。 つづく |
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