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「心のブレーキ」の外し方
(石井裕之著、フォレスト出版発行、2006年12月13日、4刷、149ページ、1,300円+税)

デニマルさん:2月号

この本の題名の「心のブレーキ」というネーミングに惹かれて購入した。副題が「仕事とプライベートに効く7つの心理セラピー、人生を変える」とある。ストレスケアに関心のある筆者は「心理サラピー」を勉強する意味で読んでみた。文章が口語調で読むとうより会話しながらページを括る感じて読み終えた。心に残った幾つかのことは、普段から気になっていた人の心の複雑な心理を紐解いてくれた点にある。著者の経歴は多種多彩で、カリスマ・セラピスト、パーソナルモチベーターで、催眠療法家等であると紹介されている。

心のブレーキとは?   ―― 感情・やる気が持続しない理由 ――
著者は、人の感情がすぐに冷めてしまったり、やる気が長続きしないのは、心にブレーキが働くからであり、だからこの「心のブレーキ」を解明すれば、逆に気持ちが持続できると書いている。この「心のブレーキ」とは、自分の思っている気持ちとは反対に働く心があるからで、その心(ブレーキ)を外す方法の7つのセラピー(治療、療法、薬や手術などによらない心理療法や物理療法をいう[大辞泉])を紹介している。その極意は、「ブレーキを徐々に緩め、スタートは少しずつ着実に動き出す」そしてその動きを実感して止めない。

心にアクセルはあるか??  ―― 人の心は単純ではない ――
心のアクセルは、語学の上達であったり、ダイエットや禁煙であったり、恋人との永遠の愛の誓いであったり、映画や小説の主人公であったりいろいろな動機やキッカケである。何かをやろうと決意した心の強いアクセルは沢山あったが、振り返ると持続したものは少ない。日記を書こうと張り切って日記帳を買ったが、三日坊主であったり1週間であったりする。心のアクセルもあるが、ブレーキも強力に働く。ここで人の心には、その両方があり、行動することが解決への一番の近道である(行動の結果が出るので)と書いてある。

心をコントロールするもの???  ―― 潜在意識を見つめる ――
心のブレーキをコントロールしているのが、「潜在意識」であると著者はいう。実は、この潜在意識に影響されて現状を変えられない現実がある。貧乏な人がお金持ちになりたいと思って、お金を稼ぐチャンスが来ても「何となく」その仕事を避けてしまう。その「何となく」という気持ちが潜在意識である。だから潜在意識が現状を維持する方向に持っていって貧乏を脱却出来ずにいる。この潜在意識を変える方法が、「心のブレーキ」を外すことである。千里の道も一歩から、毎日少しずつ「動き出す」習慣を身に付けることである。

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