PMプロの知恵コーナー
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「マンション建替プロジエクト奮闘記(その9)」

PMAJ関西支部 岡本 政義:1月号

 新年明けましておめでとうございます。昨年5月投稿を開始、今回で9号を迎えました。なにしろリアルタイム企画のため当初、毎月継続して報告できるかとの懸念もありましたが、それこそ毎月話題ありの連続で今回を迎えました。親愛なる読者のみなさま、多少なりともこの奮闘記に共感され、本プロジエクトの成功にむけエールを頂ければ、投稿者として望外の喜びであります。

 前回ご報告致しましたように、2度にわたる説明会の開催、その間14回に及ぶ準備委員会の会合を経て、いよいよ本建替えプロジエクトの第一関門である全戸(71戸)の賛否をとる臨時総会開催時期が到来致しました。
結果としては4戸の反対者がおられましたが、圧倒的な賛成採決によりT社を事業協力者に選定することになりました。新年早々この結果をご報告できてホットしております。
 しかしあくまでこれは仮契約であり、これから全戸の[個別面談]を通して各戸のご要望を聴取し、最終的な基本設計をおこない、あらためて総会を実施し、100%の区分所有者の賛成を得て、初めて正式契約をおこないスタートする必要があります。以下その総会の準備から総会での採決結果までをご報告致します。

13;臨時総会開催通知準備と配布
 10月1日(日)夕刻午後5時、第11回準備委員会を開催しました。目的 は、7月2日の臨時集会でT社を推薦して実に3ヶ月経過し、その間、説明会アンケート調査などの実施を通し区分所有者のご理解が得られたと判断したこと。そして臨時総会開催によりT社を事業協力者として選定して頂くための事前配布資料の作成についてでした。

あらかじめ用意された原案をベースに、つぎのような議案を提案し臨時総会 開催により採決を取ることに致しました。
まず「建替え検討委員会活動報告」により今までの経緯を説明し、1号議案 「修繕か建替えか」の確認採決をとる。そして建替え賛成採決の結果をまって、2号議案「計画委員会設置」の承認、3号議案「T社を事業協力者として選任」、4号議案「同社との基本協定締結」の承認、を提案することに致しました。
 議事の進行としては、議長に理事長を推薦、今までの準備委員会の発足から 現状までを委員長が報告、「未だ建替え推進の決議が管理組合規約に沿ってなされていない」とのK氏の説明会でのご発言を考慮し第1号議案の採決をおこなうことに致しました。
この建替え賛成採決をまって、第2号議案、そして「T社だけでなくコンペ により決定すべき」との同氏の発言も考慮し、第3号議案により、再度私がT社推薦理由を説明することにし、第4号議案により「T社との基本協定締結」の承認を採決願うこととしました。
 臨時総会開催は11月19日(日)とし、10月18日、全区分所有者に総会案 内を配布致しました。

14;臨時総会の開催と結果
  11月19日(日)市民ホールにて午後1時、臨時総会が開催されました。
 開会宣言、議長選出、総会成立宣言後、「建替え検討委員会活動報告」を委員長が報告しました。
 一号議案に入るまえに議長が質問を求めたところ、前回の説明会で建替え反対の意向を表明されていたK氏がまたもや発言されました。建替え推進の決議が管理組合規約に沿ってなされていなかったこと、そして建替え決議がなされた場合、現在のT社だけでなくコンペにより決定すべきでないかとの前回と同趣旨の発言がありました。
 そして、実はD社のほうから電話があり新たな提案として転出価格5千万円、仮住い220万円、還元面積83.7uをしたとのこと、その情報は委員会にも伝わっているはずだが、なぜこの経緯を我々に伝えてくれないのかとの質問がありました。これに対し委員長から、前回の議事録にあるように、8月1日D社に提案を撤回することで了承を得ているとの返事をおこないました。しかしK氏はこれに納得せず、なぜ具体的なプランの提出を要求し区分所有者に説明することをしないのかと求めました。これに賛成の拍手をする方もいました。

 しばらくこの件について議論が続きましたが、うやむやのうち議長の議事進行の発言で1号議案の趣旨説明が委員長からなされ採決に移りました。D社の問題は、今後に尾を引かない意味からも委員会としての説明責任があるとおもいます。
 1号議案の採決は建替え66、修繕3、現状維持1、欠席1の大差で建替えに決定しました。ついで2〜4号議案の提案趣旨説明後採決に移りました。結果は大差で3議案も承認されました。

 思えば昨年2月18日、再発足の第2回準備委員会で基本構想を提案、4月22日、第3回会合にてその検証結果報告、その後、2回にわたる建替え説明臨時集会の開催をへて、11月19日の臨時総会にて圧倒的な大差で区分所有者の「建替え賛成、T社を事業協力者として選任する区分所有者の同意」を得たわけであり、まさに感無量であります。
 今後のスケジュールは、本稿の前段でご説明した通りでありますが、反対を表明されている4名の方々に対し建替えについての納得を得る必要があります。
 次回は、総会議事録の作成、T社の今後の「個別面談」の実施案内の作成、  居住者に夢をあたえる建替え計画(マンション全体配置、各階平面図、標準間取りメニュープラン図面集、仕様一覧、設備一覧、リビング・ダイニングルーム、和室、寝室、収納スペース、キッチンスペース、バスルーム、サニタリールーム設備等イメージ写真など)の作成、これらの全戸への配布、建替え反対者交渉経緯などを報告致したいと思います。
 あくまで100%の合意形成が絶対条件であります。しかし先行きその進展がまだ読めません。これがプロジエクトではないでしょうか?
唯、基本構想の実現、夢を正夢にする努力を忘れてはならないとおもいます。ご期待ください。
以上
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