懸賞つきPMクイズ
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懸賞つきPMクイズ(7) 「トラブル処理の諸法則(1)」

芝 安曇:12月号

1.今月のテーマ
前3回はコミュニケーションであった。コミュニケーションはマネジャーにとって最も重要なテーマであるが、長くなると嫌われるからテーマを変えることにした。しかしプロジェクトマネジャーが最も嫌うトラブル処理の話に移る。
トラブルは嫌いなどといっても、誰かがトラブルの種を蒔いてくれれば逃げることはできない。プロジェクトマネジャーは同僚と給料の差がないのに嫌なことが年中舞い込んでくる因果な商売である。
こんなときは芝 安曇流が役に立つ。プロジェクトマネジャーはまじめな顔して人を騙すことも大切だが、自分を騙す能力がないと勤まらない。騙すとは黒いことを白いという類である。結局「トラブル処理は面白いね」と思い込む必要がある。「面白いね、面白いね」とお題目を唱えていると、何か面白いことがあるかもしれないと探す気になる。こうなったらしめたものである。不思議と面白いことが頭に浮かんでくる。
こんなことを書いたのが「トラブル処理は宝探しだの諸法則」で、この1部を紹介する。

社会を眺めると、順調に出世して社長となり、初めてのトラブル処理を甘く見たため、多くの会社社長が退任する羽目に合っている。プロジェクトマネジャーは社長ほど偉くはないが、身の危険は同じである。トラブル処理の諸法則は有益である。

2.3つのトラブル処理の経験則
芝 安曇のエッセイの主人公はプロジェクトマネジャー自在氏である。自在氏は多くの失敗をして、トラブル処理ばかりやってきた。おれは馬鹿だなどと書き物にする馬鹿は自在氏以外にいないから、これは貴重な書である。断っておくが、通常のPMの本は頭の優れた人物が書くから、如何にしてトラブルを発生させないかということが書いてある。この本はすべて後始末を取り扱っているから正統派PMの本ではない。
トラブル処理を3分類した。
(1)教訓的トラブル処理の諸法則
(2)実践的トラブル処理の諸法則
(3)科学的トラブル処理の諸法則

(1) 教訓的トラブル処理の諸法則  第一法則「人為的トラブル発生の法則」
  第一条「2次的トラブル発生の法則」
  概要だけ説明する。トラブルが発生する。多くの人はトラブルを隠蔽したがる。通常隠蔽はつじつまが合わなくなり最後にばれてしまう。この会社はトラブルを発生し、社会に迷惑をかけただけでなく、うそをついたまことで社長の見識が疑われ、退任する羽目になる。雪印、三菱自動車皆同じである。
教訓:最初のトラブルで覚悟を決めることである。覚悟を決めると、その後はすべて上手くいく。社会は最初のトラブルには建前はともかく本音で寛容な面がある。真実を告げ、対応が真面目だと逆に評価されることが多い、という教訓である。

第二法則「よく見かける事柄の法則」
第一条「逃げ足と横取りの法則」
 会社にはいろいろな人間がいる。トラブルが発生すると姿を隠す仲間がいる。賢い人間である。処理の見通しが立つといつの間にか姿を現し、御前会議では積極的な発言をする。賢いからプレゼンが上手い。気がついてみたらトラブル処理第一功労者になっている。トラブル処理などするやつはどじな人間だなどと思わないで欲しい。どじなやつは実力NO.1になれるという話を後でする。だが、逃げ足の速い人間を信用すると、何時の間にかトラブル処理者がトラブル発生者として上司に告げられているからご用心という教訓である。
第二条「解決案ととりあえずの法則」
 トラブル処理で問題なのは簡単に原因がわからないことである。特に客先で起こったトラブルは客先が烈火の如く起こっているから、できるだけ早く手を打たないと困る。そこで関係者を集めて会議を開くが、日本人の性格として「手っ取り早く」できるところから始めたがる性格がある。一人が「手っ取り早くできるところから始めよう」と提案すると90%が賛成する。日本人はじっくり考えるより、素早く行動することが好きだ。「素早い行動は客先からも評価される」から反対しにくい。だが、ここがマネジャーの腕の見せ所である。

クイズPM:
プロジェクトマネジャーのあなたはこの時どのような行動をとり、どのように話を持っていくか。
それは何のためか。

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