P2M研究会
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P2M研究会11月活動報告

山崎 司:12月号

1. 東京P2M研究会活動状況
■ 2006/11/8(水)P2M研究会 第7回(参加者7名)18:30〜20:45
場所:ENAA 7階 7A会議室

<議事内容>
1.P2M実践事例研究会関西合宿(10月21、22日)の報告
 10月21、22日の両日に開催された合宿形式による研究会の報告。
  講演者:渡辺殿
 内容については、10月号のオンラインジャーナルをご参照ください。

2.東京P2M研究会合宿のご案内
 以下次第にて合宿を行うこととする。
 ・日 時:11月12日(日)10:00〜19:00
 ・場 所:日揮梶@横浜本社 615会議室
      横浜市西区みなとみらい2-3-1 クイーンズタワーA棟
 ・打合せ内容:
 @ 2006年度研究報告書案と担当分けについて
 A P2Mガイドブック修正
 B 事例研究

3.P2Mガイドブック修正提案
・ プロファイリングマネジメントの内容が、ガイドブックの中で最もわかりにくいので、全面的に改定する。以下の部分(P73〜P78)につき、各位から意見を募ることとする。
 *プロファイリングマネジメント@〜C
 *コンテキスト分析
 *全体と部分の関係

4.P2M研究会2006年度研究報告書(案)
・ 合宿において、執筆する部分の担当分けを決めたい。
・ 岩下殿からEA(Enterprise Architecture) についてのガイドラインを、P2M手法を用いて報告書に組み込んでは如何かとのご提案があった。

■ 2006/11/12 (日)P2M研究会 第9回(参加者11名)10:00〜19:00
場所:日揮本社615会議室
懇親会:19:30〜22:00 横浜野毛

1.自己紹介
  各自簡単な自己紹介を行った。

2.P2M研究会の研究報告書に関するスケジュールの説明
 以下のようなスケジュールにて研究報告書を作成することを予定している
時期 アクティビティ
2006年11月12日 方向性確認、テーマについて担当分けを実施
2006年11月24日 各自の担当テーマについて骨子(素原稿)を作成
2006年12月10日 骨子(素原稿)の検討
 ・ 方向性の再確認
 ・ 各項目の内容検討
その後、原稿作成開始
2007年1月10日 原稿進捗確認
2007年2月9日 原稿提出
整合性等の議論と整理
2007年3月14日 原稿完了
1週間で印刷完了
トータル200ページ程度を予定

3.研究報告書作成の基本的な方向性についての討議
(1)前提となる事項
・報告書の目的は、P2Mガイドブックをわかりやすくするための副読本としたい。
・執筆者各位が自分で実用に供するものが出来れば、目的は達成されると考えてよい。
  • 使命達成型職業人の実践活動を行っている人間が集まって議論することが重要であり、プロダクトを創るためのプロセスを可視化することが主なミッションである。
  • ジャーナル25号(新生PMAJ創刊号)の特集、「各業界におけるP2Mの適用事例とPMAJの今後の展望」パネルディスカションの記事において、当研究会活動の道標として参考となる部分があるので、別紙にまとめ配布する。添付「研究会活動のための道標」をご参照ください。
(2)P2Mを実務のアプリケーションに適用する際の切り口
  • 階層(職位)別(経営者・ミドル・ロウワー)、ライフサイクル(時系列)、産業別(歴史的経緯)、組織の特性、業種別などが考えられる。
@)層別(職位)で考える
  • 8月の研究会でも話題になったが、P2Mは経営サイドの視点を多く含んでいるが、PMBOKはプロジェクト遂行のプロセスをフォーカスして取り扱っており、経営の側面における言及がほとんどなされていない。
  • これの背景としては、欧米(特に米国)においては、経営とデイリーな業務遂行の主体は明確に区別されてきた。さらに、学問の世界においても、経営学とプロジェクトマネジメントの領域は相互に不可侵であると言えるくらい明らかな棲み分けがなされてきたことがあげられる。(経営企画、経営戦略は経営サイドが必ず実行するものとして米国では実施されている)。わが国においては、このような思想が経営サイドに希薄であることがP2Mの扱う範囲が経営サイドまで広がったことの要因である。同時に社会の変化が早く、不確実性が高まったことにより、経営サイドもこのグローバルエコノミーの変化に追従することが容易でなくなり、ソリューションと名のつくビジネスが盛んになってきた。経営管理者、ミドルまでが経営領域に入り行動する必要があり、P2Mにとって追い風である。

A)ライフサイクル(時系列)で考える
・ 以下のように、プログラム・プロジェクトのライフサイクルで、P2MとPMBOKの範囲が表現できる。

B)産業別 (歴史的経緯)で考える
・ エンジニアリング業界においては、技術だけをフォーカスして扱うことは難しい。
・ 業務遂行にあたっては、マネジメント知識の土壌としての経営的センスが必要とされる。
・ 渡辺殿は、日揮において客先がシェルのプロジェクトを通して以下事項を体得した。
 @契約、スタンダードには確固たるフィロソフィがある。
 Aスタンダードに沿ってプロジェクトの仕様が段階的に詳細化される。
 Bドキュメントに序列・優先順位が決まっている。(これは合理的理由に基づく)


・ さらに、宇宙ステーション開発に関わったが、NASAは宇宙開発のプログラムを実施するにあたってシステムエンジニアリングハンドブックとプロジェクトマネジメント・ハンドブックを構築している。システムエンジニアリング・ハンドブックはプロダクト製作の手順(プロセス)を示し、タスクごとの検討事項を詳細に記して成果物を成功に導くことに貢献し、プロジェクトマネジメント・ハンドブックは関係する多くの人々を動かしてプログラムを成功に導くことに貢献する。プロジェクト遂行に当たってはプロダクト製作のエンジニアリングとプロジェクト遂行のマネジメントという両輪を動かすことが必要である。リスクが極めて大きな事業の運営・改善を行うためには、全階層がリテラシーとして経営学の知識を備えていることが必要である。
C)組織の特性で考える
  • 現在は市場が最も重視されている。特に動きが早くなっている。企業はこの変化に追従できることが命題となっている。当該組織が求める市場の動きに追従できる組織形態が求められている。トフラーはこれを組織の市場同時性と呼んでいる。従来の階層組織+戦略事業ユニットがいいのか、コアコンピタンス+アウトソーシングがいいのか、プロジェクト組織+成熟度モデルがいいのかを考える必要があるが、いずれの場合も個人を教育する時代から組織を教育する時代となったことは事実である。この典型が成熟度モデルである。
  • しかし、いずれの組織形態であっても「戦略+リスクマネジメント」、CSR,コンプライアンス、セクリティはいま避けて通れない課題であえる。
D)業種別で考える
  • 日本は業界単位でものごとが決まって行く傾向にある。
  • 業界ごとで実践モデルがあると理解されやすいのではないか。
  • IT業界はPMとはPMBOKと思い込んでいるので、ここに切り込むのは容易ではない
4.事例研究:アルビレックス新潟の事例をOWモデルで分析展開
成果物については、P2M研究会合宿討議問題「アルビレックス新潟」成功へのプロセスをご参照ください。
(1) 分析展開するためのアプローチの決定
 @)攻略の方法についての議論
 @あるべき姿をどのように考えるか?
 Aアルビレックスが実行した方策をOWモデルのどこに該当するか?
 Bポイントになるキーワードは?

 A)自在氏の問題解決の経験則
 @今まで解決していなかった問題はない
 A答えは、問題の中にある
 B問題の解決は、次の問題を生む

 B)共通認識
 教材の文中からブレークスルーのためのキーワードを抜き出し、いかのどちらに該当するか、議論を行うこととする。
 ・あるべき姿 To be
 ・ありのままの姿 As is

(2)プロファイリングマネジメントのプロセス
 @)経営理念考察
  「自分は新潟県民だというアイデンティティ」再確認と
   一体感、連帯感を持つ場となる事業を行う(サッカー)
     ↓↑
   郷土愛

  オーナーの意図を明確化し
  あるべき姿の構築に繋げる。

 A)外部環境情報収集
  @目的軸(PURPOSE)
  すべては、新潟県の発展のため
  サブ目的1:郷土愛に目覚めよう→最初にサッカー
  サブ目的2:↓
  サブ目的3:
  サブ目的4:

  A立場軸(POSITION):誰にとっての問題か
  ・社長
  ・地域住民
  ・県政

 B)問題を俯瞰する
  OWモデルを俯瞰図として採用、キーワード群から下図のように当てはめた。
以上

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