P2M研究会
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P2M研究会10月活動報告

山崎 司:11月号

1. 東京P2M研究会活動状況
■ 2006/10/11(水)P2M研究会 第7回(参加者10名)18:30〜20:45
場所:ENAA 7階 7A会議室

<議事内容>
I.報告書目次案に関するプレゼンテーション
 研究テーマのリーダーが目次案を作成し発表することによって、グループ分けないし参加者の募集に繋げることを目的とする。
1-1.構想計画プロセス化、価値創出ビジネスモデル等について
  講演者:渡辺殿
(1) 報告書作成について
  • 現在、P2Mは未だ多くの導入事例を得るには日が浅く、その成果も限られたものである。当研究会は、この現状を乗り越え、多くのユーザーにとってP2Mを使いやすい形態にする目的を持っている。
  • また、P2M資格は発足後5年を経過し、改定の時期をむかえている。改定目標のひとつに、やさしく、分かりやすく、使いやすいものにするという一項がある。本研究は、これらの要求の一助となることを期待されている。
  • ガイドブックは頁数の制限があり、すべての要求を満たすことはできないが、これらの要求には副読本という形でサポートすることができる。今回の報告書は、将来副読本となることを意図して作成されるべきと考えている。
  • 研究報告書の大枠は、以下4項目を含むこととする。副読本的な位置づけを考えている。
    @ 構想計画を作成する際の手順のプロセス化
    A 価値創出を容易にするビジネスモデルの手引き
    B ビジネスを俯瞰視できるツールの開発
    C 経営力構築ソリューション
(2)  P2M的アプローチの再確認
  • P2Mと競合する資格としてITコーディネータがある。「中小企業の経営者に戦略的見地から、IT導入・活用についてのコンサルテーションを行い、情報化投資の効果をあげる」ことが役割のイメージである。
  • アプローチの基礎は、当該企業の内部・外部環境分析を行い、経営力の成熟度を測定し、ベンチマークとしてふさわしいビジネスモデルを当てはめるというものであり、P2Mの基本コンセプト「価値創造」(新しい価値をどのようにして生み出すか)とは異なっている。
  • しかし、知識体系を進化させるうえでの取り組み姿勢については、「よいものはどんどん取り込んでゆく」というスタンスをとっており、P2Mのガイドブック改定にあたって見習うべき事柄であろう。
  • 次回以降の会合で、世界経済の今後の潮流について発表したいと考えている。ビジネスの創出・経営のイノベーションについては、「既存の仕組みの組み合わせ」であるケースが多い。また、家事代行や中食産業など比較的新しいビジネスモデルの隆盛に関しては、社会構造の変化と密接にリンクしている。構想計画プロセスについて考えるうえでのヒントになると思う。
1-2. ITビジネスで必須の法規について
  講演者:梶原殿
  • 本テーマは、PMAJジャーナル26号において、プロトタイプ・バージョンが掲載されている。
  • 社会・経済を取り巻く環境変化のスピードは著しく、ITビジネスにおいて法務にかかわるトラブルや事件が相次いでおり、プロジェクトを遂行するうえで、法的な配慮、ビジネス法務に関する知識と理解は欠かせないものになっている。
  • さまざまなビジネス・シーンで契約行為の迅速化が求められていることから、プロジェクトマネージャーは、十分なビジネス法務知識をベースに、法的トラブルを未然に防止するなど、法的側面からの企業活動を実施する必要に迫られている。
  • P2Mの統合マネジメント及び複数の個別マネジメント手法を活用し、ビジネス法務の全体像をビジネス・シーンやプロジェクトのライフサイクル毎に区切って、リーガル上のリスクを明確にしたうえで、共通の物差しとして法務関連チェックリストのフレームおよびガイドラインを作りたい。
II.フリーディスカッション
  • 今回、テーマ毎に希望を募り、グループ分けを行うことを計画していたが、参加人数が多くなかったことから、小グループへの展開には至らなかった。合宿を行い詳細を話し合うことにする。
  • 梶原殿のテーマ「ITビジネスに必須とされる法務知識」については、既にプロトタイプが作成され、ある程度形ができている。今後は、項目に漏れがないか確認のうえ、解説の深さをどの程度にするか検討したうえで、報告書作成のフェーズに移りたい。
  • また、「システム開発プロジェクトにおける対象物可視化コントロール手法の研究」については、IT SIG(Specific Interest Group)の活動記録をご確認戴きたい。
III.今後の進め方について
  • 次回の開催は11月8日(水)の18:30からとする。
  • メンバーの方に身近な事例を発表していただく。
  • 報告書のまとめ方について集中的に意見交換を行うため11月12日に合宿を行う。
2. 大阪P2M研究会活動状況
■ 2006/10/21 (土) 22(日)第4回P2M実践事例研究会 関西合宿 (参加者22名)
場所:パナヒルズ大阪(松下電器保養所) 大阪府吹田市
I. 議事内容
  • 合宿形式による研究会
  • 特別講師として渡辺貢成氏を迎える
  • 分科会毎にわかれての議論と中間まとめ発表
1日目:(21日13:00〜20:30)
@ 全体会議
・ テーマごとの分科会進捗報告(各主査より)
・ 東京研究会の報告ならびに報告書作成について(渡辺講師)
A 分科会に分かれての研究会
B 懇親会   18:30−20:30
・ 全員22名にて懇親会開催
C 自由研究・討議
・ 分科会毎の部屋割りでしたが、講師含め各分科会入り混じって議論沸騰
2日目:(22日9:00〜12:00)
@特別講演   『時代の進展とP2Mへの期待』 講師 :渡辺貢成 氏
・ グローバル化する世界経済とP2Mへの期待、役割について
いつもながらの、熱い情熱が伝わってくる。 昨夜のハードスケジュールをこなされ朝一番、誰よりもお元気である
A分科会経過報告と討議
各分科会代表より発表頂く 渡辺講師はじめ、各メンバーから鋭い質問が飛ぶ
・ テーマ3 P2M企業競争力型アーキテクチャー(岩崎主査)では、昨日からの激論が続く。
・ テーマ2 プロジェクトX(海蔵主査)ではリーダ像の具体的な分析に関心が集まる。
・ アンケート収集型のアプローチテーマ4,5にも、最終成果に期待がかかる。
・ 特に、テーマ4 複数プロジェクトの優先順位(朝田主査)のところは、東京、名古屋を含めてのアンケート実施計画、ご支援要請に渡辺講師より快諾いただく。
・ 渡辺講師より総じて高い評価をいただく。
・ 最終まとめへ向け各分科会主査、ならびにメンバーには、いい刺激になったのでは・・
B 『P2Mガイドブック改定の経緯と意見交換』
 渡辺講師より改訂委員会、改訂活動状況についての説明あり
  参加メンバーの中には、PMS講習会講師も多く、シビアーな意見が続出
−1部〜3部が難解である。事例を入れて分かり易くする。特に3部では表現は異なるが、重複している同じもしくは類似の概念を整理、統合してはどうか。
−全体に、横文字が多くわかりづらい
−個別マネジメントは、各章バラバラ。 表現を含めて統一性を高める。
−各章の最初のテンプレート、形式は統一されているが表現、中味がバラバラ。
−改定スケジュールが性急、バタバタ感が否めない。
II.総括
  • 各分科会の活動報告や論議を通して参加者全員の真摯で熱心な研究会への取り組み姿勢が実感できた。
  • この合宿で、各分科会の着地が見えてきたように思えた。
  • 各分科会活動が相互に刺激をし合いより良い成果が期待できる。
  • 合宿を通してお互いのより一層の交流促進が図れた。
  • 研究会発起人である渡辺講師のご参加により、関西での活動状況を実見して頂くことができ、PMAJ本部との一層の連携とご支援を期待したい。
分科会一覧
テーマ1 『緊急時や予期せぬ難問への対応について』 主査 小石原健介殿
テーマ2 『プロジェクトX分析-:リーダ像』 主査 海蔵三郎殿
テーマ3 『企業競争力型アーキテクチャーの事例分析』 主査 岩崎幸司殿
テーマ4 『複数プロジェクトの優先判断・管理の仕組み』 主査 朝田晋二殿
テーマ5 『EVMの実態調査と実務のポイント』 主査 安達正人殿

<筆者雑感>
 最近、メタボリックシンドロームが話題になっています。男性は腹囲が85cm以上だと健康へのリスクが高いと見なされるわけですが、年齢とともに代謝が低下していることを忘れ、普段と変わらない生活をしていたら、いつの間にかにレッドゾーンに入ってしまいました。ある文献に、メタボリックシンドロームの改善と予防のためには、「適切な行動は強化し、不適切な行動は修正していくことが基軸である」と書かれていました。くれぐれも現実から目をそらさず、無理のない目標を設定し、モニタリングと自己管理に努めようと思います。
以上

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