PMプロの知恵コーナー
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「夢工学(50)」

川勝 良昭 [プロフィール] :12月号

     

悪夢工学

5 強制性格識別法
●裏技(ウラワザ)の性格識別法
 今回は、表技(ワザ)の強制性格識別法を説明したい。なおこの他に裏技(ウラワザ)の強制性格識別法がある。前回も述べたが、本連載の読者の中には間違いなくB1タイプの人物が存在するだろう。また最近、平然と我が子を虐待したり、平気で殺し、その子の将来の夢を全て奪う「鬼」の様な親がいることが報道されている。従って本紙面で裏技(ウラワザ)の性格識別法を公開し、B1や鬼の餌食にならない様にすべきかもしれない。
 しかし一度、それを公開すると、B1や鬼の様な人物にそれを逆利用され、彼らの本性が見破られない様になる。そうなれば「夢」の破壊工作を防ぐための「(抗)悪夢工学」の目的を無効にする。そのため公開を慎みたい。しかし裏技(ウラワザ)をどうしても知りたい読者は、筆者に直接連絡して欲しい。場合によっては明らかにしたい。

●表技の強制人格識別法
 表技の強制性格識別法は、本人の過去、現在、未来の危機状況を「在るがままに」に受け入れ、識別するという方法を採らない。新たな観点から過去、現在、未来の危機状況を意図的に創り出す(強制型)方法を採る。そして創り出された危機状況に本人を追い込み、その本人の意思決定と行動を観察する。これを「強制性格識別法」という。

 これは、過去、現在、未来、危機、成功、家族のそれぞれの観点からの識別法である。なおこの強制性格識別法の適用は、問題を起こす可能性がある。従ってこの方法を適用する側の「良心と節度」が求められ、乱用は厳に慎むべきである。また以下の中にある強制性格識別法は禁じ手となっている。

強制性格識別法―――意図的に、強制的に危機を演出し、性格を探る法
   過去・強制識別法―――過去危機―――過去成功―――過去家族
   現在・強制識別法―――現在危機―――現在成功―――現在家族
   未来・強制識別法―――未来危機―――未来成功―――未来家族

1)過去・強制識別法―――過去危機―――過去成功―――過去家族
(1−1)過去危機・強制性格識別法とは
 この識別法は、ある人物が過去に直面した危機にどの様な意思決定と行動を採ったかを評価する方法ではない。これは過去に存在した危機ストーリを強制的に変えたり、過去に存在しなかった危機ストーリーを新たに作る。そしてある人物を変えられた絶体絶命の危機に直面させ、「悪魔の形相変化」と「恐ろしい本性の出現」が起こさせる方法である。
 筆者は今のところこの実用的な過去危機強制性格識別法(過去危機・強制性格識別法、過去成功・強制識別法、過去家族・強制識別法)を見つけてない。検討中である。

(1−2)過去成功・強制識別法とは
 理論的にはあり得るが、実用的な方法は見つかっていない。研究中である。

(1−3)過去家族・強制識別法とは
 過去成功・強制識別法と同様に研究中である。

2)現在・強制識別法―――現在危機―――現在成功―――現在家族
(2−1)現在危機・強制識別法とは
 これは、本人が最も避けたい職務や責任など本人にとっての危機を強制的に与え、本入の意思決定や行動を分析評価する方法である。
 人為的、強制的に危機を与えるので効果は抜群である。しかし危機強制は自ずと限界がある。その適用には「良心と節度」が求められる。なお本人の人格タイプを認識出来れば、人為的に与えた強制的危機は直ちに撤回せねばならない。

(2−1−1)米国テレビ番組「スパイ大作戦(米国映画ミッション・インポシブルの元作品)」
 このテレビ番組のある場面で、東独側の某スパイは、西独の警察に捕まり、目隠しされ、西独の警察署の取り調べ室に連行された。彼は、西独側の警察の取り調べを受けるという危機に観念して東側の極秘情報のすべてを語った。しかしその調べ室は、東独側に存在する某ビルの一室を西独側の警察の取り調べ室に改造されただけであった。西独側に連行した訳ではなかった。この様なトリックを使った危機を与え、本人の本性を探るのが強制的性格識別法である。

(2−1−2)日本のテレビ番組「ドッキリ・カメラ」
 米国のテレビ番組の輸入版が日本のテレビ番組「ドッキリ・カメラ」である。この番組を知らない読者に説明しよう。
 それは、某人物を架空の空間に導き、架空の危機を与えて、本人が慌てたり、怒ったりする反応をカメラ収め、それを観客が楽しむ番組である。もちろん騙された本人は、最後にこれは偽の危機であることを知らされる。しかし日本のドッキリ・カメラのテレビ番組は、テレビ業界の良心や見識の低さから被撮影者の隠れた本性を衆目のテレビ画面で暴くことになった。この行き過ぎが多くなり、視聴者の批判が多くなった。しかしこの番組は、その後、放送されなくなった。それは批判からではなく、飽きられたからであった。
 以上のテレビ映画やドッキリカメラ番組は、強制性格識別法とは似て非なるものである。前者は娯楽であるのに対して、後者はあくまで夢破壊者を識別し、多くの人々の夢を破壊する人物を排除する目的のものである。従って次元がまったく違うものである。

(2−2)現在成功・強制識別法とは
 これは、本人が成功する過程で負けそうになる危機状況を架空に設定することで本人が他者に卑劣な手段で裏切るとか、巧妙な騙しなどをするかどうかを調べる方法である。
 成功が目前に迫った時期で本人が不成功になる可能性が高い場合、焦って裏切り、騙し、失敗誘発などを行う可能性が大きくなる。いずれにしても強制的に危機を作るので新たな問題が起こらない様にギリギリの線で実行するべきである。

(2−3)現在家族・強制識別法とは
 本人の妻や夫の入院、子供や親の怪我や病気、子供の非行などの家庭での危機を強制的に設定する方法である。本人や家族の人権問題な関わる危険性がある強制人格評価法である。
 慎重な上に慎重な対応が望んでも、実際は本人の家族を巻き添えにすることになる。従って絶対に許されない。この識別法は、理論的にはあり得るが、実際には使ってはならない「禁手」である。

3)未来・強制識別法―――未来危機―――未来成功―――未来家族
(3−1)未来危機・強制識別法とは
 これは、「今のまま責任を取らないなら近い将来、今の地位を明け渡してもらう」といった様な確実な未来危機到来を予言し、本人がどの様な意思決定や行動に出るかを識別する方法である。
 またこれは、未来危機到来を短時間で与える方法と兵糧攻めの様にジワジワと時間を掛けて与える方法がある。本人が自分のためだけの危機脱出を考えるか、他者のための危機脱出も考えているか等、予めあらゆる種類のシナリオを作って未来危機到来を提示すると効果は抜群である。

(3−2)未来成功・強制識別法とは
本人が勝って成功するか、他者が勝って本人が失敗するか、ギリギリの場面と時期が近い将来確実に到来する様に思わせる。そして成功が近い未来に予想される状況で、本人が負ける可能性が高い情報を本人に流せば、本人は確実に焦る。その結果、裏切り、騙し、失敗誘発などを行う。そうなれば人格識別の正確性は飛躍的に増す

(3−3)未来家族・強制識別法とは
 本人の妻や夫の入院、子供や親の怪我や病気、子供の非行などの家庭での危機を強制的に設定する方法である。本人や家族の人権問題な関わる危険性がある強制性格評価法である。慎重な上に慎重な対応が望んでも、実際は本人の家族を巻き添えにすることになる。従って絶対に許されない。この識別法は、理論的にはあり得るが、実際には使ってはならない「禁手」である。
(つづく)

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