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PMRコーナー
スポーツ・プログラムマネジメントに関する一考

白井 久美子 PMR:12月号

 先週末、駒沢体育館で行われた全日本総合バドミントン選手権大会の決勝を観戦した。自部門に在籍するバドミントン選手男子2名が決勝進出するので部門の有志で応援に行ったのだ。応援のかいあり、男子ダブルスの種目でみごと優勝し、二人は全日本チャンピオンに輝いた。
 私は、バドミントンというスポーツに関しては全くもって素人であるし、遊び程度でしかやったことがない。試合を観戦しながら、この選手たちは現在いったいどんなスポーツマネジメントをされているのだろうか?と疑問をもった。もしもPMRホルダーとしてプロの視点で勝利のためのスポーツ・プログラムマネジメントについて自分で考えてみよ、というお題をもらったら「あるべきプログラム」とはどんなものになるのだろうか?
 本エッセイでは、スポーツ・プログラムマネジメントについて、まずは机上で考えてみたことを書いてみたいと思う。いずれ、選手たちの実体験やインタビューもふまえて、もっと現実的なプログラム構想になったならば彼らの後輩指導に、永続的にユニシス選手団が優勝し続けるために役立ててもらいたいと考えた。自分はIT業界でプログラムマネジメントを日々実践中であるが、スポーツという全く別業界のマネジメントについて調査したり考えたりすることで何か新しい発見があればいいな・・という期待もある。

 世の中には“スポーツマネジメント”という学問がきちんと存在している。高等教育機関でそれを習得する学科も存在する。スポーツマネジメントとは、一般的には、スポーツ選手を支援・指導・管理し、スポーツの技術指導面だけでなく生活面、メンタル面でもサポートし、選手のイメージアップまでめんどうをみる・・・という選手がスポーツ界で勝利に専念できる環境を整えシステマティックにサポートするものである。Webでいろいろとスポーツマネジメントについて文献を調べていたら、わりかしコンパクトに紹介されているページがあったので紹介しておこう。
富士アスレティック&ビジネス専門学校のスポーツマネジメント学科のページ

筑波大学体育研究科スポーツ健康システム・マネジメント専攻のページ

研究領域としてスポーツプロモーション、スポーツマネジメント、ヘルスプロモーション、ストレスマネジメントが紹介されている。

選手が勝つためにどんな環境を整えるべきか、何が考慮されていれば良いのかまず自分で考えてみた。順不同で記す。
【財務(コスト)管理】
【資金調達(スポンサー調整)管理】
【指導者、指導陣営体制管理】
【技術研究・開発管理】
【技術指導管理】
【チーム力管理(チームビルディング)】
【練習場・ファシリティ管理】
【トレーニングカリキュラム管理】
【練習スコープ・タイム管理】
【健康管理】
【食事・栄養管理】
【メンタルヘルス管理】
【大会出場管理】
【各種大会戦法・戦略管理】
【成績管理】
【対戦相手研究・情報管理】
【プロモーション、イメージ管理】
【用具・ウェア管理】
【病気、故障、事故等に関するリスクマネジメント】

ざっとあげてもこれだけある。列記しているうちに、取り扱い対象がスポーツというものであってやらねばならないことは、会社経営上考慮すべきこととほぼ同じであることがわかる。
どこかのWebページにスポーツマネジメントは企業経営と同じことである、とそう言えば書いてあった・・・。

 こうして考えてみると、うちの部門でおあずかりしている選手たちに対して企業として十分な勝つための環境を考慮してあげられているのか?心配になってきた。
今回は、勝つための環境の構想話を書くにとどめるが、次回この寄稿の順番がめぐってきたときには、「実際はこんなである」という話が書けるようにしたいと思う。
以 上
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