会員の広場
先号   次号

PMRコーナー

仲田 弘 NECソフト株式会社 生産技術部(昨年10月に異動):11月号

仲田 弘 はじめに
 私の本コーナへの寄稿は来年9月と思っていましたが、幸か不幸か事務局からのご指名で、11月号に掲載されることとなりました。そこで、私のP2Mとの係わりについて記したいと思います。

P2Mとの出会い
 5年前、私はあるお客様のシステム構築にプロジェクトマネージャとして従事していました。その頃NECグループのソフトウェア事業に携わる部門では(米)PMIの資格であるPMPの取得を推進しており、私も取得しました。
 その後日本発のプロジェクトマネジメントの資格、当時私は日本版PMPと呼んでいましたが、その資格であるPMSの試験が開始されるとのことで、興味本位で受験してみることにしました。これが私とP2Mとの付き合いの始まりです。
 受験に先立ち、講習会があるので受講しましたが、P2Mすなわちプロジェクト&プログラムマネジメントのプログラムの概念が理解しにくく、苦労したものです。
   しかし、PMSを取得したからと言って、業務遂行上で何か変化があったかと言えばありませんでした。

PMRを取得して
 2年前にPMR資格試験が始まるに際して、事業部の人材開発担当から受験を依頼され、「大変だなぁ〜」と思いながらもチャレンジと思い受験しました。PMRの二次試験では、異業種の方々とも話が出来るなど得るものも多く、また、課題への取り組みを通してP2Mへの理解を深めることが出来ました。
 PMRを取得してからは、意識して業務をプロジェクトとして捕らえて取組むようになり、その際にP2Mの視点で、ミッションは?、顧客は?、ステークフォルダーは?、創出する価値は?、などと考えるようになりました。

PMR資格の維持
 PMR資格維持のためにはCPU(実践ポイントと知識ポイント)の取得がありますが、知識ポイント取得のハードルが高いと感じています。すなわち、知識ポイントには、
(1)自主研究
(2)普及・啓蒙・教育訓練
(3)受講(実践トレーニング)
がありますが、自らアグレッシブに活動しなければ取得が困難であると考えられるからです。
 そこで、本年4月よりP2M研究部会へ参加させて頂くことにしました。また、NECラーニング(株)の担当者と交渉し、本年10月下旬に開催されるPMC講習会の講師を一部担当させて頂くことになりました。

P2Mの普及
 当社では昇格基準の一つに公的資格保持がありますが、マネージャ(管理職)クラスへの昇格試験受験対象者として推薦を得るための保持資格にPMSの組み込みを提案し了承されました。これは、NECグループや社内においてP2Mの認知度が少しづつ向上してきている証でもありますが、これを機に、P2Mの普及を促進していきたいと考えています。
 また、PMCの講師も、P2Mを普及させるために継続して行いたいと考えております。

おわりに
 NECグループでは、かねてより「品質会計制度」を実施しており、当社でも2002年には、不具合のない製品をお客様へご提供するために、「品質会計制度」を導入し、全社への定着を図っています。
 しかしながら当社は、日経コンピュータ(2006年8月7日号)の第11回顧客満足度調査の分析の結果、「開発力の評価」は高いが「システムの品質」の評価が低いということが判明しました。
 その原因の一つとして、システム開発プロジェクトにおける品質会計票の適用率が好ましくないとの判断で、9月末に上司より品質会計票の適用率を向上して欲しいと仰せつかりました。
 私は、品質会計制度や品質会計票の適用は品質向上の一つの手段であり、これだけでお客様に提供するシステムの品質を向上できるわけではないと考え、品質向上活動をプログラムと位置づけて、P2Mの知識を活用しながら取組み始めています。
以上
ページトップに戻る