PMプロの知恵コーナー
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「マンション建替プロジエクト奮闘記(その7)」

PMAJ関西支部 岡本 政義:11月号

10;アンケート調査ならびにデベロッパーの確定について
 建替準備委員会は、基本方針として全区分所有者に対する7月2日(日)の臨時説明会議事録を配布する機会を利用して、懸案事項として残っていた転出価格の増額と、全面平面駐車場採用という2つの重要事項解決を報告し、これの解消を機会に、T社を「事業協力者として更に建替え計画を進めることについて」の同意をとるためアンケート調査を行うことにいたしました。

   配布内容は、「アンケート調査ならびにデベロッパー確定について」とし、添付資料として、臨時集会議事録、T社との2つの懸案事項の調整結果報告および今後の懸案事項、アンケート調査としました。

 議事録は書記M氏にて用意願うこととし、T社との調整結果報告および今後の懸案事項ならびにアンケート調査については、T社と作成致しました。そして、7月28日(金)準備委員会書記M氏に、次回委員会会合の打ち合わせ資料としてEメール送信し、委員各位に事前配布を依頼しました。

 今回のプロジエクトは、インターネットが強力なツールとなっています。グーグル検索によるT社もそうですが、T社とのEメール交信、準備委員M氏への資料事前配布要請、事務処理などおおいに助かっています。

 7月30日(日)第8回準備委員会がT社出席のもと開催されました。会合の目的は、打ち合わせ資料の検討、全区分所有者への配布、再説明会開催など今後の方針などでありました。

 その席上、臨時総会時に買取価格を提案したD社が再度委員長に持参した提案書が報告されました。それは建替え事業提案であり、転出価格の更なる増額と還元面積の増加(80→82u)でした。しかし、もはや委員のなかで心を動かす方は居ませんでした。それは、数値の見直しの前に、我々を納得させる基本条件、基本計画の不備が依然として改善されていないことでした。その背景には、T社の建替え事業に対する顧客満足優先の迅速な対応との格差が感じられたからでしょう。ようやく委員会の結束が固まった一瞬でした。

 我々は事前配布の打ち合わせ資料により検討を行いました。
「盛夏の候 区分所有者の皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。 去る平成18年7月2日に開催されました臨時集会におきましては、皆様ご多忙中にも拘らず、多数のご参加をいただき誠にありがとうございました。我々は、皆様の建替えに対する関心の高さを改めて痛感いたしたところでございます。
 さて、臨時集会当日におきましては、建物建替検討委員会およびT社から事前配布資料にもとづきご説明をいたし、貴重なご質問ならびにアドバイスを頂戴致しました。大変遅くなりましたが、管理組合/建物建替検討委員会は、当日の議事録ならびに、当日集会にてご発言のあった転出価格についての結果報告、全面平面駐車場採用の具体的結果報告、など取りまとめましたのでご連絡いたします。
 これで我々としては、臨時集会その後の検討を通し100%の合意形成について解決すべき全戸に関わる懸案事項が、ほぼ出尽くしたと考えています。次のステップとしては、デベロッパーを確定し個別(各戸)の打ち合わせ、これによる基本計画の見直し、に進む段階であります。ここで委員会は、皆様のご意見、ご要望、その他ご不明なことがないか等を、別紙同封の内容にてアンケートを行うことを決定致しました。
 つきましては、同封の『建替え計画に関するアンケート』用紙にてご回答いただきますよう宜しくお願い申し上げます。なお、ご回答いただきましたアンケート用紙は、同封の返信封筒にて、8月20日までに、ご返信いただくか、建替検討委員宛ご持参いただきますようお願い申しあげます。委員会は、ご回答頂いたアンケート結果により検討を行い、今後の方針を早急にご連絡したいと考えています。皆様にはご多忙中の折、お手数をおかけいたしますが、あくまで100%のご同意を得てスタート致したく、この際ご協力を賜りたく何卒宜しくお願い申し上げます。」

 そして配布資料の内容として、臨時集会議事録についで、T社との調整結果報告として、@転出価格は、T社との交渉経緯を記載し、還元面積相当の4,600万円を転出価格とすること、A全戸平面駐車場計画については、「全戸平面駐車場に変更する計画図」を添付、そして本計画でも基本構想の変更が無いことを述べました。
 今後の全戸に関わる共通懸案事項ならびに当面の課題として、@皆様の意向の確認(アンケートの実施等)A事業協力者決定への準備 B仮住まいに関わる具体的な検討 C詳細の居住空間の検討 Dその他事業を計画段階に進めるにあたっての不安がないかの確認と解決策の検討など、
 これらは、デベロッパーを決定し、「事業協力者」として協同で遂行していく課題でもあることを述べました。

 デベロッパー決定については、説明会ならびに議事録にも記載のT社推薦理由、ならびに今回の転出価格、全面平面駐車場計画などの対応から、あらためてT社を事業協力者として推薦すること、そして皆様のご賛同をお願いすることを記載しました。
 具体的には建替え計画に関するアンケート調査として、「T社から建替え計画について説明がありましたが、説明内容全般についてご理解いただけましたか?」「再度、詳しい説明をT社から受けたいですか?」「T社から提案のあった提案内容についてご意見・ご要望はありますか?」「ご意向・ご意見・ご要望等を集約し、計画検討内容に反映をした上、T社を事業協力者として建替えの検討を計画段階に進めたいと考えておりますがT社を事業協力者として更に建替え計画を進めることについてどう思われますか?」 その他お気づきの点等がございましたら下記空欄にご記入ください、
 などでした。アンケートは8月20日までに、同封の返信封筒にて返信いただくか、委員会委員に持参して頂くことにしました。

 今回の報告は、やや細部にわたったきらいがありました。次回は、全区分所有者のアンケート結果と、我々委員会の説明が充分でないと思われるため、再度説明会開催を企画したことなどについて述べます。ご期待ください。
以上

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