懸賞つきPMクイズ
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懸賞つきPMクイズ(5) 「コミュニケーション(2)」

芝 安曇:10月号

I.先月号の概要
1.日本人はコミュニケーションが上手か
 日本人自身は同属の人種だからコミュニケーションが容易と考えている。しかし、本当はどうなの?が問題である。多くの移民を受け入れている米国ではコミュニケーションの難しさを知っているため、コミュニケーション術を研究している。相手が理解できるコミュニケーションを心がけている。また、書類化され、関係者が共通に理解できる仕組みもつくっている。益々複雑化するグローバル社会に向けて、日本人のコミュニケーションはどうなるのか、批判はさておき、まずコミュニケーションの構造を勉強することにした。

2.コミュニケーションの仕組み
 コミュニケーションの構造とコミュニケーション能力の話をした。

II.今月号の概要
 コミュニケーションの構造を知ったが、コミュニケーションを阻害するものは何か知らないとまずいですね、という話をする。
1. コミュニケーションを阻害する要因
(1) 階層組織で起こりがちな阻害要因
@ 悪い情報は上司に上がりにくい
A 上司にとって興味のない情報は無視されるか、間違って捉えられる
B 上司の意見は常に正しいという習慣で、部下は正しいことを言わない
C 上司にとって都合悪いことはあいまいにされる
D だめとわかっていることはコミュニケーションしない
コミュニケーションの原則:行動に落とされないコミュニケーションはコミュニケーションといわないの観点から
E コミュニケーションしても、実行されない習慣がまかり通っている
F 上司の能力を超える提案は行われない(どうせ実行されないもの)
G 部下は上司の熱意の程度を見て、適宜「見送りの法則」を適用する
(2) 異文化による要因
@ 文化の相違による価値観の相違
・ 受け止め方の相違
・ 理解、解釈の相違
・ 評価の相違
・ 行動する際の相違
A 常識、慣習の相違
・常識は世代間、業界、時代によって大いにかわるが、そのことを意識してコミュニケーションを行う習慣がない
B 興味の相違(これを書くときりがない)
(3) コンテキストによる要因
@ コミュニケーションに関連する背景情報量の相違
A コンテキストを説明する能力
ものの本に書いていない大事な点がこれである。日本人の文章を英訳してみるとわかるが、直訳すると英語にならない。翻訳者は本人を捕まえて、この文章の本当の意味は何ですか、とよく聞いている。コンテキストが日本語の文章に書かれていないからである。
(4) 正しく説明しないという習慣
@ 日本人の会話は主語がなく、はっきりと要求事項を言わない。推察しろというものである。現実は推察ではなく、勝手な解釈をしている場合が多い。
A プロジェクトマネジメントで最初に行うことは「使命・目的・目標」を明確にして、プロジェクトをはじめる、ことになっている。上司から部下への命令には当然3点セットで話さなければならない。「何々をしなさい」とは言うが、それは何の目的(その使命を行う理由)で、何時までに、幾らで、どの程度の内容にするかという説明をしない。部下が目的を聞くと、上司の上司からの命令だからわからないという。目的もわからずに指示しているのでは、正しいコミュニケーションが成立しない。
B ものごとを掘り下げて考えない習慣
安全旬間というのがある。社長から「安全旬間がスタートした。現場で安全を強調して来い」と命令されると、本社から安全担当が現場に派遣され「社長の命令をそのまま伝える」。現場によって安全の内容が違うのであるから、現場への派遣員はその現場のもつ特殊性を考えて、人にアピールする言葉で話をするべきではないだろうか。
以上
−つづく−
問題: 先月の問題をつづけます。私のプロジェクト遂行中の「コミュニケーション術」
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日本人には多くの知恵者がおり、プロジェクトの運営で活躍しています。
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