図書紹介
先号   次号

「病気にならない生き方」  ―― ミラクル・エンザイムが寿命を決める ――
(新谷弘実著、サンマーク出版発行、2006年06月05日、29版、237ページ、1,600円+税)

デニマルさん:10月号

今、話題の本である。テレビでの健康番組は相変わらずであるが、昨年出版されたこの本は、29回も増刷され100万部を突破した。その話題性は、著者が日米両国の胃腸科専門医として臨床実績(30万人の胃腸内視鏡検査と9万人のポリープ切除術)を元にこの本を書かれたことにある。自分の健康は自分自身がつくる。特に「食」の重要性を理解して生活する必要があると警告する。病気の原因となるものを追究してゆくと「食」からくる要素が多い。それを見極め、医師として実際に実証されたものを書いている。この副題にもある「ミラクル・エンザイム」とは、ミラクルが奇跡で、エンザイムが酵素の意味である。だから奇跡の酵素となる。その酵素は、食物の栄養素と体の臓器で合成されたものを指している。だから病気にならない生き方は、いい食生活といい生活習慣にあると書いてある。

病気にならない生き方(その1)   ―― 食の常識を疑う ――
食の常識に関し、「腸のためのヨーグルト」「カルシウムや栄養不足を牛乳で補う」「肉を食べてスタミナをつける」等々は、今でも信じられている。しかし著者は、アメリカでの公式報告書(マクガバン・レポート)から、高蛋白・高脂肪の食生活は健康を害していることを胃腸科医師として、患者から確認している。更に、肉食動物のライオンの筋肉より、草食動物の馬や鹿の方が遥かに発達した筋肉を持っているのもその一例であるという。

病気にならない生き方(その2)  ―― 健全な食事が健康を支える ――
健全な食事とは、エンザイムの多い食べ物を指している。エンザイムの多い食べ物とは、新鮮な食べ物、揚げ物等の油を使わない食べ物、そして植物食85%、動物食15%(主に魚で、肉なら脂身のないもの)、白米でなく玄米等々。これらの食べ物を良く噛んで小食を心掛ける。食事以外にお酒やタバコは、当然極力控えた方が健康にはいい。そうは言っても「おしいい」と感じるステーキや天麩羅やお酒も、たまになら問題ないとも書いている。

病気にならない生き方(その3)  ―― いい生活習慣が健康な体をつくる ――
いい生活習慣は、食事と水分補給と適度な運動であるが、水分補給はミラクル・エンザイムを助ける働きがあり、特に血液の流れを良くして新陳代謝を促進するという。水は水として補給することで、お茶やコーヒーではない。よい水とは、化学物質に汚染されてない還元力の強い水(アルカリイオン水とか海洋深層水等)で、市販のミネラルウォーターも含まれるが費用を考えて浄水器で作る方法もある。健康は普段のいい生活習慣から始まる。