トピックス(活動報告)
先号   次号

8月例会報告
「中小企業支援への取組みと金融再生への道」

例会KP 岡田 一重:9月号

講師: 金井塚 誠(S46生まれ) 中小企業支援センター所属
略歴:平成5年都議会議員事務所に入所。平成9年2回目の都議選、平成11年衆議院議員選挙を秘書として経験し当選後は公設秘書。平成12年、平成15年、平成17年とおよそ7年半の内に4度の国政選挙を経験。17年の選挙で惜敗した後は、候補者と秘書の関係を維持しながら東京下町で中小企業の事業再生の実務にかかわる仕事をしている。

最近のプロジェクト・マネジメントの講演といえば、大きく分類すると、次のようになるのではないか?と思う。
(1) 大半を占めるのが、大手企業の組織の人的資源マネジメント体制に関するもの
(2) 比較的少人数組織編成の中で、1〜2人がプロジェクトを推進するもの
今回の中小企業支援プロジェクトは、まさに(2)のケースが複数存在する場合である。
今回のプロジェクトの特徴を挙げると、次のようになる。
  1. 要件は、最初から確定しておらず、相談の段階では単なる羅列である。この段階では、相談者は失いたくないものは多いからである。
  2. 次の段階で現状を正確に掴む為、相談者の総勘定元帳を入手する。中小企業の場合、ほとんどが粉飾決算している場合が多いので、決算の元になる資料を入手するのである。
  3. 総勘定元帳の内容を元に正確な決算数値を作成し、今後の方針を立てる。目的を絞込み、契約に漕ぎ着ける。この時は、相談者のプロジェクト資金の捻出に目算が立ち、しかも予想できる結末を相談者が納得できる状態である。ただし、金融機関との駆け引きにより結末が異なってくる点、リスクが伴うわけであるが、そのリスクをどちらがどのように負うかまで、契約で明確にしておく。
 そもそもこのようなプロジェクトが世の中に発足した背景は、日本の歴史に起因する。日本は、戦後高度成長期を迎え経済大国となったが、バブル崩壊により、経済界は大波乱な金融情勢となった。バブル崩壊に伴い、不良債権の整理をどのようにするか、政治家も政策には苦慮した後が見受けられる。
@ 金融機関統合の動き(金融機関自体の人件費削減)
A 金融検査マニュアル等、法律の改正
金融機関の倒産防止策として、政府が公的資金を投入した70兆円を有効運用させるために 金融検査マニュアル中の債権回収分類基準を厳しく改正し、取り立て強化を強要した。
これにより、追い詰められた債権者が、やむにやまれずこのようなプロジェクトを発足せざるを得なくなったわけである。正に弱者が憂き目を見ることとなったわけであるが、そのような中にあっても、中小企業支援センターに早めに相談に来た債権者へは、処方箋があった。ところが、最後まで悩み続けて最悪の結末を迎えた人達も少なくない。
さて、皆さんは、この事実をどう考えるだろうか?
経済情勢は、人為的に操作されたのか?大金を動かせる複数の団体が異なる意向・方針で相場を争ったり、申し合わせて相場を操ったり、いけないことがわからない所でいくつかなされてきた結果が現状なのか?自己中心的な資本主義競争が社会問題を生み出したということか!政策的介入は、どこまでできたのか?適切であったか?その答えは?
 最後に一つ!「黄色信号、皆で渡れば怖くない」とバブル期に担保を抵当に借金経営してきた人達に車が突進して来た為、もたついてよけ切れず、交通事故に遭い、打ち所の悪かった人は亡くなってしまった。渡ろうとした人も違反ではないが、車も渋滞解消強化月間で交差点内に留まるわけにも行かずただ進むしかなかったのである。この緊急事態を察知した一人の巡査が交差点で、台に乗り笛を吹き交通整理を始めたのでした。