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5月例会報告

例会部会 KP 石橋 延浩:6月号

 5月例会は5月26日(金)に富士通(株)SIアシュアランス本部 商談・プロジェクト監査室 シニアプロジェクトダイレクター の萩原幸人様に「富士通におけるPMOの取り組みとその実際」をご講演頂きました。今回のテーマはみなさんとても興味があるようで、講演には93名(満席)の方が出席し大盛況でした。

5月例会風景

 さて、PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)といえば近年、不採算プロジェクト削減などの目的で、ビジネスモデルの確立、PM人材育成、PM支援、各技術整備などを行うために設立・運営をする企業が増えてきています。しかし、実際のところPMOを設立したが上手く運営ができていない企業が多いのではないでしょうか?
 私ごとですが、いろいろなところでPMO側から「PMOにてプロセス/品質管理の整備をしたが、実際にプロジェクト側ではなかなか活用してもらえない」「PMOがプロジェクト側に必要情報を要求しても、プロジェクト側の協力が得られない」、プロジェクト側から「現場に即したものを作って欲しい」「プロジェクトの支援をしっかりして欲しい」などの声を良く耳にします。実際PMOは仕組みや標準化に力を入れ、プロジェクト側はPM支援を求め、両者のコンセンサスが取れずに上手く運営していないケースもあると思います。

 今回の萩原様のご講演では、このようなPMO設立・運営に対して発生する問題と対策を、以下のように実際の経験をお話し頂き非常に参考となりました。

  1. PMO組織に「できるSE」(現場を動かせる人間を入れた)を入れ、プロジェクト側への理解向上
  2. PMの右腕となる専門家(品質管理、進捗管理、構成管理など)をアサインしプロジェクトをサポートすることにより、プロジェクトがよりよく運用されるようになった
  3. PMOがSIアシュアランスとして社長直轄の組織となり権限が強化され、商談、計画段階から企業としてしっかりプロジェクトの状況を把握することができるようになった
  4. 商談段階における審議をルール化、実施し不採算プロジェクト(原因として商談段階で赤、契約の不備、見切りスタートなど)の削減を実現できた
 講演では、その他PM人材育成体系・教育、またコミュニティの運営など幅広く説明されていました。

5月例会風景

今回の講演はPMO組織をこれから設立する企業や運営上の問題で悩みを抱えている方にとって非常に参考になったのではないかと思います。
 PMAJ例会では、このように出席された方が講演者の経験話をもとに何かヒントを得られるようなテーマを今後も提供していきたいと考えています。また、例会では講演後の懇親会など色々な方々との繋がりの場を持つ機会でもありますので、是非ご参加頂ければと思います。合わせて現在、例会部会のメンバーも募集しておりますので、希望される方は是非PMAJ事務局まで連絡願います。
/以上