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3月の例会報告&PMAJの原点は例会部会に

KP 三浦 進 (副理事長・会員普及統括部長・PMシンポジウム部会長):4月号

 3月例会は3月24日(金)に(株)ロゴのパートナーでエキゼクティブ・コンサルタントの香月秀文先生を招いて「プロジェクトマネジメントにおけるPeople Skills」に関して講演をして頂きました。 
 プロジェクト遂行においては、そのチーム形成が大切あることに関し、「人間は十人十色」同じInputでも違ったOutputが出てくる可能性があり、そのためには「汝自身を知れ、自分のことを知らずして、相手を理解することは出来ない」との基本理解のもと、そのチームを作るための人的な側面を解りやすく解説して頂きました。「1人で進めるプロジェクトにはどの様なものがあるか?」と講師は参加者に投げかけましたが、多くのプロジェクトはチームで進められるものであります。その中でコミュニケーションの本質(後天的に身につけるもの。ロウコンテキストとハイコンテキストの理解等)、5感の情報収集力の基本など盛沢山の考え方を教えて頂きました。「完璧な人間はいないが、完璧なチームならあり得る」と、良い人間(そもそも存在しない)を集めるより良いチームを作るための「マネージメントチームインベントリー(チーム内役割の統合データ)」の解析手法のワークショップも折り込まれました。参加者それぞれ自己の本質的役割が分析され、プロジェクトチームを組む場合にどの様なタイプの人材が集まっているかを科学的な手法で理解し効果的なチームを作るための手法を教えて頂きました。参加者された皆様のアンケートを分析すると以下の通りで多くの方に満足を頂いたと思います。
1. プレゼンテーションの満足度 プレゼンテーションの満足度
2. 資料の満足度を選択してください 資料の満足度
3月24日 例会風景
(初めから缶ビール支給有り)
例会風景

 最近のプロジェクトマネジメントの講演では、事例も好まれますが基本知識エリアよりも人的な側面に多くの方が興味を持たれている様です。プロジェクトの成功には初期の仕様決定(スコープマネジメント)が重要となりますが、それを正しく組み立てるのも個人・チーム力となります。良い例会が提供できたと思っています。4月例会では「プロジェクトマネージャーのリーダシップ」関する講演を企画したいと考えております。

 話は例会部会そのものに移りますが、筆者がPMAJの前身のJPMFを立ち上げてまず携わったのがこの部会です。 発足時から約1年前まで例会部会には例会A(エンジ・建設系)例会B(IT系)があり、それぞれ隔月第四金曜日の夜に行われていました。通して例会は毎月欠かさず行われています。最近は共通の課題も多くその区別を止めています。筆者はエンジニアリング会社に勤めることから例会Aを担当して来ましたが、興味あるテーマでは例会Bにも参加しました。例会部会のKP (Key Person)とは、企画から当日運営をマネジメントするボランティアのことです。異業種・同業他社の方とPMの普及・研鑽を行う機会を得ますが、当初は同業即ち日ごろの競争相手の方々と何処まで話せるか不安でした。暫く続けているとそのような心配は無用でありPMを機軸に色々なことが自然と話せることが解ってきました。企業人であり当然に話してよいこととそうでないことと分別は皆が持ち合わせています。エンジ業界でのPM手法ではスコープマネジメントでのWBSやEVに基づく管理は古くから基本であり、タスクフォース型・マトリクス型組織でのプロジェクト運営は組織に根付いています。
ヒューマンリソース・マネジメントの領域では、RAM (Responsibility Assignment Matrix)の作成やリソースヒストグラムによる管理は普通に進められることです。また、建設系のメンバーも業界の中でCM(Construction Management)を社業としてそれの普及に携わっている方も多くよい意見交換が出来きました。この様な方々が集まって例会を運営して来おり、企業活動から離れて色々なことを感じて勉強をすることが出来、例会部会のKPとして活動することから更に広い視野を持つことを可能とします。毎日自分の会社世界でいるよりも外に出ると言うことです。例会の後は決まって反省会となります。部会長から「行くよ!」と声がかかります。といっても、例会は開始当初からネットワーキングを目的して缶ビールと乾き物を用意し参加者にその場を与えていますが、実は飲み直しでKP仲間の話がそこからまた弾みます。主催者側の気持ちですが、例会には良い講師の講演が聞けるから、CPUやPDUのポイントに繋がるからと参加するのではその意義は半減です。ここは会員のネットワーキングの場であります。講師も含めて色々な方々との繋がりの場を提供します。このボランティアの集まりである部会活動が今のPMAJを築いています。この記事を読まれた方で例会部会に興味をもたれる方は是非PMAJ事務局まで連絡願います。