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1月の例会報告
「PMコンピテンシーの強化方法」 講師 好川 哲人

辻 栄治:3月号

 2006年1月の定例会での講演(テーマ:PMコンピテンシーの強化方法)は講師の好川様が仲間を募って2003年にPMコンピテンシーSIGを立ち上げ、以来続けてこられた研究活動の成果報告であり、発表はPMAJの活動として大変意義深いと思います。会場には多くの参加者がつめかけ講演への関心の高さがうかがえました。私はこの定例会に"コンピテンシーを意図して効果的に身につけ強化することが可能だろうか"と関心を持って参加しまた。

 以下、コンピテンシーの強化について私なりに理解した内容を章ごとに列記します。

PMコンピテンシー育成へのアプローチ:
 PM人材育成の施策は「トレーニング」、「メンタリング」、「ジョブアサインメント」によって、それぞれ「知識」、「スキル(技術的能力)」、「コンピテンシー(コア能力)」を獲得することを習慣化することである。PMコンピテンシーの直接的な育成方法としてOJTによる 1.プロジェクトマネジメント行動の習慣づけと 2.ジョブアサインとプロジェクトマネジメントツールの徹底利用がある。

習慣化によるコンピテンシーの育成:
 コンピテンシーのモジュール、即ちアカウンタビリティー、実行力、問題解決力などのコンピテンシー要素を理解し、想定する問題の解決に必要なコンピテンシー要素の活用方法を理解し、問題解決の事例を学習し、実際の問題を解決することの積み重ねによってコンピテンシーを身につける。またプロジェクトの目的を意識することの重要性、プロジェクトの目的達成のための目標設定と行動計画の立案、行動(スキルを実践)、その結果の目的達成への貢献を評価することの習慣化が重要である。

ジョブアサインによるコンピテンシーの育成:
 プロジェクトマネジャーの成長のため「業務上の課題」、「他の人とのつながり」、「修羅場」などの経験と、プロジェクトマネジャーの能力開発に、「なじみの薄いロールにアサインする」など10の業務要素がある。ここでは1.手法(知識)を覚え、2.手法を適用するノウハウ(技術能力)を習得、3.手法の適用結果と目的のリンケージ(手法を適用し効果を上げることができる=コンピテンシー)をプロジェクトマネジメント力習得の3つのステップとし、プロジェクトマネジメント力の習得方法として第2のステップで手法の繰り返し適用と適用方法の工夫、第3のステップで状況に応じた行動習慣をつけることが重要である。

まとめ:
 実践において、1.プロジェクトの目的を達成するための正しいプロジェクトマネジメントの行動習慣、2.ツールの徹底利用による技術能力の向上と、それによるプロジェクト目的達成の効果をあげる経験の積み重ね、の2つによってコンピテンシーとPM知識、PMスキルの強化を図ることによりPMコンピテンシーが強化される。
 講演まえにコンピテンシー(コア能力)要素のうちパーソナルな属性に類するものの獲得や強化ができるのだろうかと疑問をいだいていましたが、メンタルな達成意欲なども同様に成功体験の積み重ねによって形成されると理解しました。今回も定例会に参加してPMについて改めて考えることができ良かったと思います。

1月例会風景

1月例会風景