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『第314回月例講演会』報告
岡崎 博之 : 6月号
【データ】
| 開催日: |
2026年4月24日(金) 19:00-20:30 |
| テーマ: |
「 炎上プロジェクトの立て直し 」 ~混乱に向き合い、窮地を乗り切る~ |
| 講師: |
村重 亮 ( むらしげ りょう ) 氏 (ワンドロップス株式会社 代表取締役社長) |
講演概要
●私が経験した炎上プロジェクト
炎上は「まさかこのプロジェクトが」という場でも起きる。
優秀なチーム、整った資料と計画、スタートの段階で誰も疑っていなかったプロジェクトで起きる。
意外とどんなプロジェクトでも炎上しうる。
●炎上プロジェクトとは?
炎上プロジェクトの一般的定義
計画が大幅に崩れ、収拾困難な状態になること
見えているもの:期限、コスト、品質
見えていないもの:眠れず休めない日々、壊れていく人間関係、倒れていく人
炎上プロジェクトの経験上の定義
終わりがみえないまま、
打つ手がことごとく裏目に出て、
プロジェクトも、人も、壊れていく状態
月例講演会で機会をいただけたことから、『炎上プロジェクトの立て直し』に再現性を持たせたいと考え、フレームワーク化を試みた。
●立て直しで重要なマインドセット
危機的状況でこそ、お茶を一杯飲んで周りを見渡す余裕を持て。
異様な状況においても、パニックに陥らず冷静な判断を下せる余裕が必要。
立て直しで重要な7つのマインドセットを示す。(本レポートではそのうちの1つを紹介、他の6つは講演資料を参照。)
2. 腹を括る
中途半端な気持ちを持たない。
なぜこんなものをやり始めたのだろうという気持ちを持たない。
明るい希望を持たない。
●炎上プロジェクト立て直しアプローチ
職人技的な立て直しプロセスに、再現性を持たせる試み(フレームワーク化)
4つのフェーズ:参画前、状況把握作成立案、立て直し実行、見届け
- 参画前(ブリーフィング、ミッション仮設、参画設計)
実は参画前に勝負の大半は決まっている。
参画の仕方を間違えると、立て直す前に終わってしまう。
実態説明と期待値認識に大きな乖離がないかを慎重に確認。
- 状況把握/作戦立案(状況分析、ミッション定義・作戦立案)
常識にとらわれず、状況を把握して、活路を見出すこと。
状況を立て直す道筋を見出すことだけに"全神経を集中"させる
混乱する前に素直な感覚で当たりをつける。
段々と絞り込んでいき、注力すべき門団を特定していく。
きっちりと仕切り直す。
- 立て直し実行(体制再構築、意思決定枠組み導入、意思決定、実行優先度変更、実行)
綺麗な答えを目指さない、とにかく危機を脱する。
常に最悪とシナリオの危機感覚と持ちながら、前向きにベストを尽くす。
きっちりと仕切り直す。
- 見届け(自走可能状態)
真に状況を脱したことを確認のうえ、引き際を見極める。
リスク回避状況を確認しながら、本来の主役をもとの場所に戻していく。
●修羅場を乗り切るリーダーシップ
立て直しとは完璧な完成に持っていくことではなく、着地させること。
- 腹を括る「前向きにあきらめる」⇔期待すると辛くなる。
- 順調なのか、順調でないのか。順調でなければ必ず問題はある。
- 最悪を想定することは、悲観ではなく、最善を尽くすための準備である。
- きれいごとでなくてよい、最悪を避けるためのベストを尽くすこと。
- 人は、追いつめられると本性が出る。その心理も考慮すること。
→修羅場を乗り越えた経験は、何にも代えられない資産になる。
講演を拝聴して感じたこと
本講演を通して感じたのは、対話を通して本当の事がどこにあるのかを見極めることの大切さです。
プロジェクトの資料・文書からは、炎上した結果は見えたとしても、どうしてそうなったのかを見つけることはほぼできない。
どうしてここに至ったのか、そしてどこまでなら実現できそうなのかを見極めるためには、人との対話が必要となる。そこで重要になるのは、問いを立てることではないか。
真実に迫るための問いを立てた対話を通して、炎上の要因を探り、解決の糸口を見つけることになるのではないかと思いました。
そして、最初にお話しされた 『危機的状況でこそ、お茶を一杯飲んで周りを見渡す余裕を持て』 というマインドセットですが、これは胆識(※)そのものではないかということで、学びと実践経験の大切さを改めて考えさせられました。
村重様、大変貴重なお話をいただきありがとうございました。
※ 胆識は、安岡正篤氏が説く 「三識(さんしき)」(「知識」「見識」「胆識」)のうちのひとつの識のこと。知識:本や人から得る情報の集まり、見識:知識に経験や価値観が加わり物事を見極める力、胆識:見識に基づいて覚悟をもって決断・実行してやり遂げる力。
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