理事長コーナー
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グローバルPMコミュニティとPMAJ

PMAJ 理事長 加藤 亨 [プロフィール] :5月号

 以前のこのコーナー(2022年11月)でPMAJの歴史を紹介したことがありますが、PMAJの前身であるJPMF(日本プロジェクトマネジメントフォーラム)は、1998年12月に発足しています。
 その発端となったのは、1996年にプロジェクトマネジメント協会(PMI®)から発行されたPMBOK®ガイドの日本語訳を、PMの研究・情報交換・普及についてPMI®と協力協定を結んでいた(財)エンジニアリング振興協会(ENAA:現在のエンジニアリング協会)で行ったことにあります。
 この日本語版PMBOK®は、1997年3月に「プロジェクトマネジメントの基礎知識体系」として発行されました。その冒頭の「日本語版の発行にあたって」によれば、「和訳化の作業は、同協会のプロジェクトマネジメント部会ないしはその分科会で活動を行う委員でPMI®会員でもあるボランティアがタスクフォースを結成して行った。」とあり、そのメンバーが中心となって、JPMFを立上げたというのが、PMAJの歴史の第1ページとなります。
 この経緯が示す通り、PMAJはその発足当初から、グローバルPMコミュニティと深く連携してきています。現在でも、PMI®をはじめとして、PRINCE2®の資格試験を運営するPeople Cert 社や、グローバルなプロジェクト ベースの標準や資格の情報を提供するボランティア団体であるGAPPS(Global Alliance for the Project Professions)などのグローバルPMコミュニティとの協力関係を大事にしています。
 ということで、今回は、日本であまり馴染みのないGAPPSの活動について紹介したいと思います。
 GAPPSの主な目的は、「世界中のプロジェクトマネジメントコミュニティに信頼できる比較情報源を提供することで、プロジェクトマネジメントの規格と資格の相互承認と移転を促進すること」となっています。 ( リンクはこちら
 その活動の中心となるのは、TLF(Thought Leadership Forums.)と呼ばれる会議体で、年間を通して3回開催されています。この会議にメンバーが一堂に会し、アイデア、知識、経験を共有し、議論や討論を行い、プロジェクト、プログラム、ポートフォリオの管理に関する理解を深め、成果物としてまとめています。
 その成果物は、次のようなツールとしてまとめられて、広くPM実務家に無償で提供されています。
  • 複雑さを測定するツール(プロジェクトの複雑さ、プログラムの複雑さ、プログラムの類型)
  • 標準と資格を比較するツール(GAPPSの標準と、プロジェクト、プログラム、ポートフォリオ管理標準のマッピング)
  • ガイドフレームワーク(複雑性におけるリーダーシップ、プロジェクトマネージャーなどについてのフレームワーク)
 ちなみに、PMAJのP2M体系のマッピングも改訂3版の英語版を基に行われています。ご興味のある方は  リンクはこちら で、名前、組織、メールアドレスを入力することで誰でもダウンロードできますのでご確認ください。

 実は、2026年秋に予定されているTLFミーティングは、日本で開催されることになっています。その対応については、グローバルPM SIG内のタスクで行う予定です。
グローバルPMコミュニティについてご興味がおありの方は、ぜひ、グローバルPM SIG 代表の 加藤宛てにご連絡ください。
 皆様の積極的なご参加をお待ちしております。

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