今月のひとこと
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 例会300回 

オンライン編集長 深谷 靖純 [プロフィール] :2月号

 今は昔となりますが、当時の内閣総理大臣野田佳彦氏と野党党首安倍晋三氏の党首討論において、野田総理が解散を表明しました。編集子には結論に至る理由も結論の是非もよく分からないままでしたが、結論自体は明解で重大な決定がなされたのだということはよく分かりました。
 昨年来、選挙での討論会などを含めて様々なテーマで公開の意見交換や質疑応答会が行われています。ここでは、自身の主張の正当性を視聴者にも理解してもらわねばならないはずなのですが、首をかしげるような言動が多すぎるような気がしてなりません。日本人はディベート(公開討論)が下手だとはよく言われることですが、そもそも何のためにその場に臨んでいるのかを考えていない人ばかりではないかと疑いたくなります。せめて、野田・安田討論並に、テーマをはっきりと示して必ず結論を出すという姿勢で臨んでいただくというわけにはいかないものでしょうか。

 そんな愚痴はさておき、聴いて為になるのがPMAJの月例会です。
 長ければいいという訳ではないという方もいますが、毎月1回の講演会を休むことなく続けるというのは、やっぱり大変なことだと思います。PMAJの月例会が、回を重ねて今月300回を迎えます。
 元々は会員相互にプロジェクトマネジメントに関する知見を交換し合う場として発足した月例会ですが、プロジェクト及びプログラムとそのマネジメントに関連した様々な情報を会員以外からも広く取り上げてきました。
 時には、プロジェクトマネジメントと関連がないテーマだとお叱りを受けることもありましたが、間口の広さに驚くことの方が多かったように思います。最初にAIを取り上げた際は、AIの技術がプロジェクトマネジメントに関わってくるのは遠い未来のことのように捉えられていましたが、最近はAIによるプロジェクトマネジメントといった事例も出てきて、変化の速さについていくのが大変です。
 取り上げるテーマの殆どは、個々の参加者のスキルアップに繋がるものですが、時々、ステップアップ・ジャンプアップに繋がるテーマを取り上げることもあります。例えば、最近の「プログラムマネジメント分野での博士号取得」では、参加者に博士号取得を勧める内容でした。起業(アントレプレナーシップ)を取り上げることもありました。プロジェクトは価値創造事業ですから、プロジェクトに携わる人も自身のステップアップを考えていただきたいと思います。
 1年に1回程度の頻度で取り上げているのは地方創生に関するテーマです。現在、月例会参加者には、企業内あるいは顧客企業の委託を受けてプロジェクトに従事されている方が多いのですが、そこで身に着けたスキルの活用先の一つとしてソーシャルプロジェクトを知っていただきたいとの思いがあります。培ったスキルを自身が住いする地域に活かすことができれば、人生100年時代も楽しく過ごせます。
 300回記念大会では、奇しくも「脱炭素」という共通項の下、活動分野が異なる対照的な2つの企業の取組みを取り上げました。まず、株式会社ジゴワッツ柴田知輝氏からは普通充電器を武器に起業したスタートアップ企業のお話です。電気自動車普及のネックになっている充電時間の長さ対策として考案した簡便な普通充電器にまつわる物語をお聞きください。続いて、千代田化工建設株式会社森上賢氏は、水素等のGI(グリーンイノベーション)技術の確立及び社会実装への取組みに関して、同社及び世界の最前線の状況についてお伝えします。
 できるだけ、多くの方に聞いて欲しいので、参加費は従来通り1600円のままとしました。また、受講に伴うポイントは、例えばCPUは通常3ポイントが4ポイントとなっています。大勢集まって、楽しい300回記念大会にしたいと思いますので、PMAJ会議室よりも広い会場を確保しました。
以上

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