① 提案・受注時での要因
プロジェクト受注時のリスク判断が最重要である。
失敗プロジェクトの多くはこの時点での検討不足に起因することが多くそれも危機的な問題発生の原因ともなる。
すなわち、曖昧な顧客要件に対する状況分析(すでに課題解決におけるKT法で説明)も怠り及び関連する問題分析の怠りからくる問題提起も曖昧に終わり、受注交渉の際には顧客の言いなりに契約し、リスクを次のフェーズに持ち越す場合である。
② 社内体制及びプロジェクト計画不備による要因
プロジェクトを取り巻く環境及び要求に対応する制約条件を考慮しない計画はロードマップの無い険しい道を支援なしに進むと同じである。
この結果は時間と金の無駄使いであり、疲労するだけでよい結果は得られない。
経営者または管理者の無理解、教育体制の不備、人材教育不足、手順の整備不足などがその原因に挙げられる。
③ リスクマネジメント能力不足による要因
プロジェクトプロセスにおけるリスク要素を体系的に認識したうえで、実際のプロジェクトの場でポイントを抑え、何が原因となっているか、その原因の元は何かを探り、適切な対応策をとる必要がある。
すなわち、人によってリスクの見方がまちまちであるが、自身の能力または経験で解決できる事象であればそれはリスクとならないが、そうでない場合にはリスクとなります。
そのためにリスクマネジメントに関する知識、リスク対応策に関する知識そしてリスク情報や先輩の意見が必要となります。この項はSWOTが重要なツールとなります。
それでは本題のリスクマネジメントとは :
① プロジェクトに起こると予想されるどの事象が、リスクとしてそのプロジェクト業務のどこに影響を与えるかを特定する。
すなわち、PJ特性とそれを取り巻く状況を考慮し、自社・自分の経験の有無、技術、人材、協力会社の特性等々を考慮し、過去のデータベースやベテランの意見を聞きながらその特定を行う作業です。
② リスクがどの程度の確率で起こり得るか、そして、どの程度の影響力を持つかを評価・定量化し、問題事項はプロジェクト初期で特定し、リスク分析の結果、契約条件、保険そのほかの対応策により定性的な提示を行い、定量的な指標があれば契約金額などで示す。
③ その対応策を策定し、それには「予防対策」と「発生時対策」がある。予防対策の基本は契約書またはPJ計画書にて対処する。発生時対策は予防対策漏れか突発事項のどちらかであり、いわゆるコンテンジェンシーを意味する。コンテンジェンシーの測定は非常に難しく、会社における経験値やトップ判断により、ポリティカルに決定することになると考えられる。