理事長コーナー
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SNS

PMAJ 理事長 加藤 亨 [プロフィール] :12月号

 みなさんは、SNSと聞いて何を想像しますか。
 会議中に下を向いてスマホをいじっているチームメンバーに、
 「君っ、下で(Shitade)なに(Nani)してるんだ(Shiterunda)!」
 というのがSNSだ、などと思っているあなた。それは大きな誤解です。
 SNSとは、言うまでもなくソーシャル・ネットワーキング・サービス、またはソーシャル・ネットワーキング・サイトの略称で、「社会的ネットワークの構築が出来るサービス、あるいはウェブサイト」のことを指します。Facebook、LINE、Twitterなどに代表されるように、「コミュニティ型の会員制のサービス」の形で提供されたり、利用されたりするのが一般的なようです。ちなみに、Facebookの利用者数は、全世界で24億人(2019年8月現在)と言われ、単純に計算すると、世界の人口77億人のうちの3分の1近くが利用している計算になります。
 ところで、何でいきなりSNSの話題になったのかと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実は先月のPMAJの理事会で、「PMAJとしても広報活動にSNSを使うことを検討した方が良いのではないか。」というご提案を理事の方から頂いたのがきっかけです。講習会やセミナーの参加者が伸び悩んでいることに関してのご提案だったのですが、「提案を受けたことは、すぐに実践してみる」という基本方針のもと、以前登録して放ってあったIDを復活させて、いろいろと実践してみました。やってみると実に面白いですね。
 「今なにしてる?」という欄に、今やっていることや、感じていることを書いたり、写真や動画をアップしたりしておくと、他の参加者の方から「いいね!」という反応がすぐ返ってくるんですね。「書いたことがずっと残ってしまうのはいやだ。」という方には「ストーリーズ」という仕組みが用意されていて、アップしてから24時間経つと自動的に消えてしまうのですが、ここでもやはり「いいね!」という反応やコメントがすぐに返ってくるので、次から次にアップしてみようという気になります。「これはすごい仕組みだな。」と感じました。
 「それの(Soreno)、なにが(Naniga)、すごいんだ(Sugoinnda)!?」などと、SNSの二番煎じのダジャレを考えているあなた、勉強が足りません。
 ハーズバーグの「動機付け要因」というのをご存知でしょうか。動機付け要因とは仕事の「満足」に関わる要因のことで、代表例としては、「承認されること」があり、この要因が満たされると人は満足感を覚え、より高い業績へと動機づけられるという要因です。
 もうお分かりだと思いますが、「いいね!」という反応は、まさに「承認されること」にあたり、自分がアップしたものが他の参加者の方から「承認された」ということで満足感が高まり、より良いものをアップしよう、あるいは継続的に高めて行こうという動機づけにつながるということです。
 私は、定期的に行っているプロジェクトマネジメントの講義の中で、この『ハーズバーグの動機付け・衛生理論』をいつも紹介して、プロジェクトチームのパフォーマンス向上に、「動機付け要因」を活用することを推奨しているのですが、SNSの中で「いいね!」という反応を日々味わっているチームメンバーに対しては、タイムリー「いいね!」を返してあげることがすごく重要なんだなとSNSの実践の中で感じました。
 ともすると、むかし風に「心の中では感謝してるんだよ。」という対応で良いと思っているあなた、残念ながらそれでは動機づいてはくれず、「下で何してるんだ!」をいうSNSを連発することになってしまうかもしれません。
 ぜひ一度、何か仕事をしてもらった瞬間をとらえて、「いいね!」サインを出してみては、あるいは「ありがとう」の一言を声に出してみてはいかがでしょうか。
 「そこから(Sokokara)、なにか(Nanika)、すごいこと(Sugoikoto)が始まる!」かもしれませんよ。

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