課題の解決は、まず解くべき対象を定義するところから始まる。関連情報を収集し、分析し、目標を明確に定める。そして解決に向けての計画と実行を行う。目標設定は、言わずと知れたプロジェクトの初期段階だ。プロジェクトの関係者であればお馴染みのことだ。この同じプロセスを、中学・高校の授業で取り入れ始め、急激に拡大しているという。それは、Project Based Learning-PBL-と呼ばれる学習法だ。
教諭が一方的に講義する授業に対して、PBLでは生徒がチームに参画し、討議し、自ら解答を得る努力を行い能力を鍛えるという授業だ。生徒が能動的に学ぶ学習法である「アクティブラーニング」の一種である。テーマの範囲は広いので、どの問題にも対処できる方法論が確立している訳ではない。教諭は、授業前の準備も授業中の対応も大変だ。そのような問題意識をもった教諭が集う場が、「アクティブラーニング学会」だという。その場で様々な意見交換がされ、その中からPBLの根幹となるPMの基本を学ばせる必要性が高まってきている。
アクティブラーニングは、30年以上前から米国のBuck Institute for Education が提唱し、実践されてきており、その有効性も報告されている。
文部科学省でも、アクティブラーニングの重要性を認識している。「新しい学習指導要領等が目指す姿」の中で、「学校教育において重視すべき三要素」が、1) 知識・技能、2) 思考力・判断力・表現力等、3) 主体的に学習に取り組む態度、であると掲げている。この三番目の項目が、いわゆるアクティブラーニングの重視である。具体的には、学校の教室でのPBLの実施である。現場の先生の間では、PBLをどのように進めてゆくべきかの議論はあるようだが、もはやこの流れをとめるべき理由は見つからないだろう。