関西例会部会
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第134回 関西例会レポート

PMAJ関西 KP 小田 久弥 [プロフィール] :5月号

開催日時: 2017年4月15日(金) 19:00~20:30
開催場所: 大阪市立 総合生涯学習センター 第4研修室
テーマ: 「戦国武将に学ぶ決断力」
講師: 高島 徹 (たかしま とおる) 氏 / 株式会社決断力 代表取締役
参加者数: 26名 (スタッフ3名含む)、交流会:7名
講演概要:  
プロジェクトやビジネスの上で決断力は重要です。今回の講演は、戦国時代の歴史上の様々な事例を取り上げて、参加者自らも考えて、決断力を高めるポイントについて発表いただきました。以下に講演概要を記載いたします。
1. 本日の目的
  現代ビジネスに活かせる知彗を、戦国武将の決断事例から学ぶ
  戦国武将の行動を分析し、「自分だったらどうするか?」と考えることで決断力を高める
  帰り道から実践できる「決断力の高め方」を学ぶ

2. 決断力について
  ビジネスやプロジェクトでは様々な場面、様々な立場(担当者、管理職、経営者)で「決断」が必要。
  判断と決断の違い
判断はルールのもとに実施されるもの。決断は、規定やルールのないものに対して、責任者が責任を持ち、 便益最大化に着目し、意思決定を行う。リスクがあり、失敗には責任を取る。
  デキる上司、デキない上司の差
様々な事象はあるが、デキない上司は他責にしている。デキる上司はその逆。腹が据わっている。
  決断の目的を明確にする
1 ) 主たる目的は何か(何のために)
2 ) 副次的な目標(効果)
3 ) 前提条件、制約条件
4 ) 他に狙いはあるか
  ※ この点はプロジェクト初期に明確化するポイントと似ていると感じました。

3. 事例考察―1 桶狭間の戦い
桶狭間の戦いをケーススタディに取り上げ、以下を考察する
  誰に一番手柄を与えますか
今川義元の首を挙げた毛利良勝
今川勢を足止めした砦の大将 佐久間盛重
桶狭間で一番たくさんの首を挙げた木下雅楽助
義元の居場所が桶狭間であることを知らせた梁田政綱
今川義元に一番槍をつけた服部一忠

  上記内容について、受講者がどう考えたか意見を聞きながら進めていった。

ちなみに、歴史上では④梁田政綱が一番褒美をもらったと記されている。
決断の中で、ぶれない評価軸を持つことの重要さ、二者択一でなく総合的に考えることの重要さを解説いただいた。

4. 事例考察―2 本能寺の変~山崎の戦い
本能寺の変~山崎の戦いをケーススタディに取り上げ、以下を考察する
  羽柴秀吉の目的・目標は?
遠い備中から京の明智軍を打ち破るには?

上記内容について、受講者がどう考えたか意見を聞きながら進めていった。

秀吉の目的・目標については、参加者から「難しい」という意見も出て、目的・目標を明確化させることの難しさ・重要さを改めて感じた。

「明智軍を打ち破るためには」については、いろんな意見が出た。
「明智軍に忍びを送り暗殺する」と言ったユニークな意見も出て盛り上がった。
大河ドラマなどで、「中国大返し」のシーンでは、戦いの恰好で多数の兵が走っているシーンが出てくるが、実際は備中から京都まで200キロを走破するときに、重い武具や鎧は船で送り、兵たちはふんどし姿で走ったということである。初めて知った。秀吉の緻密な作戦に驚いた。
おそらく、黒田官兵衛が緻密な策をたてていたのだろうか。

5. まとめ
決断力の高め方
自分が決断すること、他人に任せることを区別する。
自分がやると決めたことは絶対にやりきる。他責にしない。言い訳しない。
職責に応じた決断をする。上司には意見具申、部下には権限移譲。
今日から実践すること
  心を落ち着かせることで決断力はあがります!

6. その他
戦国時代の事例をもとに決断力について考えるということで、非常にわかりやすかったです。
特に私は戦国時代が好きなので、非常に楽しく参加することが出来ました。
余談になりますが、来る6月4日に「敵は本能寺にあり マラニック」というマラソン大会に参加予定です。この大会は、明智軍が本能寺に行軍するルートを走ります。亀岡をスタートして、峠を越えて京都の桂に入り、本能寺跡地へ到着します。
その後、光秀が最期を迎えた伏見の「明智藪」を見学して、温泉にゴールして汗を流します。
奇しくも今回の例会のテーマと深く関係するので「この辺で光秀は何を考えていたのだろう」などと考えながら、コースを味わいたいと思います。

講演の様子
<講演の様子>

以上

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