PMプロの知恵コーナー
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サムライPM (032)
自分へのいたわりの為に自分自身になる
~宿命、運命、天命、そして使命~

シンクリエイト 岩下 幸功 [プロフィール] :1月号

新年おめでとうございます
本年もよろしくお願いします

今号では「武道と士道の系譜」をお休みし、
新年の抱負を述べたいと思います。
謹賀新年

 「宿命、運命、天命、使命」という言葉があります。
いろいろな捉え方があるようですが、字義通りに解釈すると下記のようになります。
 宿命(しゅくめい)とは、「宿る命」「定められた(宿った)命」のことです。
生まれた場所、国、環境、時代、肉体など生まれ持って決まっているもので、変えることのできない、受け入れざるを得ないものです。前世からの反映ともいわれます。
 運命(うんめい)とは、「運ばれる命」「命の運び方」のことです。
生まれたときから死ぬまでの運命は変えることができます。自分の在り方、生き方、心の持ち方によって、人との出逢いも変わります。人との出逢いで、自分の人生も変わってきます。運命には様々な選択肢があり、コロコロと変わって行きます。未来は白紙です。その中での運と努力により、運命が決まって行きます。
 天命(てんめい)とは、「天から与えられる命」「天が命じた使命」のことです。
神との約束ともいえますが、一生をかけてやり遂げなければならない役割です。しかし、天命を知ることは簡単ではありません。
 使命(しめい)とは、「使う命」「命の使い方」のことです。
この世に誕生し、生きている間に、この命をどのように使うのかということです。この使命は、究極的には「天命」を守るために使う命です。人は、それぞれの宿命の下に生まれ、それぞれの運命を切り開き、それぞれの天命に近づきながら一生を終えることになります。

これをプロファイリングモデルに転写すると、下記のようになります。
    宿命=ありのままの姿
    天命=あるべき姿
    運命=シナリオ
    使命=ミッション
従って人生ドラマは、「宿命(ありのままの姿)」「天命(あるべき姿)」「運命(シナリオ)」、そして「使命(ミッション)」の下に描かれる、壮大なプログラム&プロジェクトマネジメント(P2M)と捉えることもできます。ありのままの自分を受け入れ、それぞれの人生をプロファイリングしながら、自分らしい人生で輝かれますよう期待します。

「吾れ十有五にして学に志す 三十にして立つ。四十にして惑わず
五十にして天命を知る 六十にして耳順(みみした)がう
七十にして心の欲するところに従って、矩(のり)を踰(こ)えず」(論語)
(私は十五歳で学問を志した。そして三十歳で一本立ちした。四十歳であれこれと迷うことがなくなり、五十歳になると天が命じたこの世での役割と自らの限界を知った。
そして六十歳になったときには、人の言葉を素直に聞けるようになった。七十歳になると、自分の思い通りにふるまっても、道に外れることはなくなった。)

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