例会部会
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【第216回例会 報告】

生越 直人 [プロフィール] :1月号

【データ】
開催日: 2016年11月25日(金)  19:00~20:30
テーマ: 「米国PMI® グローバル会議北米大会 2016 参加報告」
 ~(2016年9月25日-27日 於 : サンディエゴ)~
講 師: 小原 由紀夫 氏/(株)富士通アドバンストエンジニアリング
               人事総務本部 人材開発室長
三浦 進 氏/日本プロジェクトマネジメント協会 グローバル化推進部長

~はじめに~
 今月の例会では、恒例になっています「米国PMI® グローバル会議北米大会」の参加報告を行って頂きました。

 グローバル会議は世界各地で開催されていますが、その中でも北米大会は最大の規模で、最新の Project、Program、Portfolio Management の流れを知ることができます。
 今年は特に、The PMI Technical Triangle™ が前面に出た大会となっていたそうです。
 また、PMBOK® Guide 改訂第6版の概要についてもご紹介頂きました。

~講演概要~
1. グローバル会議北米大会の概要
PMI® Global Congress 2016 - North America
25 - 27 September 2016, San Diego, CA, USA
会場:San Diego Convention Center
大会参加者:1,700名以上

2. PMI® 大会の動向
全体テーマ
    Anticipate Strategic Elevate
    Organize and Influence Efficacy
    Elevate from Good to Great
全体傾向
    全体的にThe PMI Talent Triangle™ を強力に、全面にアピールしている。
今年は、3つの基調講演内で2つがLeadershipに関連するものであった。
全体の講演の中でも、Leadership等の人間系が多いと感じた。
とは言え、、、ここ数年のAgility、PMO、Complexity and Change Managementのテーマは多い。

3. 基調講演
Afterburner, Inc.:エリート軍事専門家チームの講演(Flawless Execution™ )
    世界中の軍事チームを指示してきた実績を紹介。
フォーチュン500企業のうち、100社が使用している。
高いミッションの基、問題を起こさないための実証済みの手法を紹介。
DEBRIEF(報告を受けての検討)、レビューを行い改良することが大切。
Sue Gardner / The New Workplace:Leadership関連講演
    企業は形式的官僚的組織から、より高い自律性と権限を持つチーム、アジャイル、分散型の職場に変わってきている。
リーダーシップ
    チーム員が理解することを助けることが使命
    間違い(問題)から学び、他が自分に合わせてくれると期待してはならない
    他人に合わせていく、人々を理解することが重要
    人々が理解を深めていくための繋ぎとなり組織化を進める
Wes Moore / 変革のリーダーシップ:進化、適応、インスパイア
    リーダーシップとは、以下の通り説いている。
    タスクの割り当て、または委任に関することではなく、
    それは、彼らをエンパワーすること、
    手元の作業を担当する一方で、
    より大きな善を達成するために、周りの人々を鼓舞すること。

4. Project of the Year
WINNER:National Synchrotron Light Source II (NSLS-II)
    予算:US$912 million、場所:Upton, New York, USA、期間:2005~2015。

5. Session構成
The PMI Talent Triangle™ に沿って、Sessionタイトルからキーワードを抽出・分類
    Strategic & Business Management:戦略 & ビジネス管理
      アジャイル(イノベーション)、戦略(ポートフォリオ)、変革(プログラム)
    Leadership:リーダーシップ
      組織(ステークホルダー)、チーム(リーダーシップ)、人材(文化、PMO)
    Technical:技術(PM)
      プロジェクト、リスク(要求)
抽出・分類の結果、米国では「戦略 & ビジネス管理」と「リーダーシップ」のSessionが多い
    日本での講演では、少ないキーワードである
アジャイルは、戦略を実現するために取り込む

6. Educational Session紹介
Trends and Innovations in the field of Agile
(アジャイル分野における傾向とイノベーション)
Making “agiLE” Work: Agile in the Large Enterprise
(アジャイルな仕事を:大企業におけるアジャイル)
Adaptive Portfolio Management from waterfall approach to more flexible management process
(適用型ポートフォリオマネジメント ウォーターフォールから柔軟性のあるマネジメントプロセスへ)
Getting Things Done: Influence without Authority
(完遂すること:権力を使わない影響力)
Managers and the land of the lost
(マネージャーと失われた大陸)
From Monologue to Multilogue: Mastering Multicultural
(単一言語から多言語:多文化を学ぶ)
Power of Leadership Development in Advancing Organizational Project Management
(組織のプロジェクトマネジメント推進におけるリーダーシップ開発のパワー)
Using Performance Multipliers to Navigate Ambiguity that Enhances Term and Project Results
(チームとプロジェクト成果を高める際の曖昧さをナビゲートするパフォーマンス・マルチプライヤの採用)
The Future of the PMO: Beyond Benefits and Value
(PMOの将来:利点と価値を超えて)
PMBOK® Guide - Sixth Edition: Preview of Coming Attractions

講師の方々のご好意により、講演資料は「PMAJライブラリ(例会/関西例会)」に掲載させて頂きましたので、Sessionの内容は講演資料をご覧になって下さい。
PMAJライブラリのURLは以下の通りです。
  11月例会:「米国PMI® グローバル会議北米大会 2016 参加報告」

※こちらの資料は、PMAJ会員の方限定になっておりますので、ご注意願います。

7. まとめ
The PMI Talent Triangle™ を軸に網羅的に推進している
アジャイル/アジリティは、当たり前(PMの常識)になっている
個人での解決よりチーム/組織での解決を焦点にしている

~まとめ~
 北米大会では、The PMI Talent Triangle™ (戦略 & ビジネス管理、リーダーシップ、技術)を前面に出して講演を行われていることから、専門家としてのスキルの組み合わせを要求している点がよくわかりました。
 特に、基調講演でリーダーシップに関して多く語られていることから、北米大会ではリーダーシップが注目されていると感じました。

 また、日本ではこれからの技術というイメージがある「アジャイル」が、グローバルでは戦略を実現するための経営ツールとして捉えられており、多くの講演が行われている点も印象に残りました。

 今回の例会は、2016年9月25日~27日に開催された北米大会の参加報告を、2016年11月25日の例会までの短期間にプレゼン資料としてまとめ、ご発表頂きました講師の方々のご尽力により開催することができました。
 大変お忙しい中、例会にご協力頂き、ありがとうございました。

 最後に、我々と共に部会運営メンバーとなるKP(キーパーソン)を募集しています。参加ご希望の方は、日本プロジェクトマネジメント協会までご連絡下さい。

以上

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