法人会員様コーナー
先号   次号

PMコミュニティーによる人財育成

(株)日立ソリューションズ 技術統括本部 プロジェクトマネジメント本部
本部長 千種 実: [プロフィール] :7月号

 プロジェクト・マネジャー(PM)を取り巻く環境は、近年ますます厳しくなっている。当社のようなSI事業では、優秀なPM育成やPMを支える枠組みを構築することは重要課題である。優秀なPMを育成するため、多くの企業は「PM認定制度」などのキャリアパスを定義して計画的に育成している。
図1.PM認定クラス  当社のPM認定制度は、最上位のランクを「プレミアムPM」とし、「プラチナPM」、「ゴールドPM」、「シルバーPM」の4段階(図 1)に分けプロフェッショナルPM育成に取り組んでいる。
 PMの認定要件(図 2)は、大きく「スキル」と「キャリア」に分かれる。スキル要素は「ITスキルスタンダード(ITSS)」、「社内教育・研修」、「公的資格」で評価する。キャリア要素は、PM経験やプロフェッショナル貢献、人物要件で評価する。
特に上位のプラチナPM以上は、役員面接で最終的に認定される。

図2.PM認定要件
図 2.PM認定要件

 PM育成を考える際に「コミュニティー」は、重要な要素の一つである。当社は、PM認定者を中心とした「プロフェッショナルコミュニティー」を立ち上げて活動している。コミュニティーの概要は図 3の通りである。
図3.PMコミュニティーの概要 コミュニティーの活動は、社内SNSを活用したコミュニケーションの他、フォーラムによる講演、テーマ別SIG(*3)の活動がある。社内SNSの存在はPMの大きな支えになるだろう。その恩恵は,具体的な解決策を提示することにとどまらず、自分と同様に問題に悩んだ経験談や解決へのヒント、ノウハウやコツなどを聞くことによって共感を得ることが,気持ちの上で大きな支えとなるからである。また、テーマ別SIG活動では、各事業部の優秀なPMがメンターとなり、プロがプロを育てるメンタリング活動も行っている。

 以上のようにコミュニティーによるプロのPM育成でもう一つ欠かせないのは、PMAJによる社外コミュニティーとの関わりである。同業他社はもちろん異業種のPM交流や意見交換は、プロのPMになるためには必要不可欠であろう。

以上

ページトップに戻る