医者に殺されない47の心得 医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法
(近藤誠著、(株)アスコム、2013年7月13日発行、20版、227ページ、1,100円+税)
デニマルさん: 10月号
この本のタイトルは刺激的である。更に、表紙オビに「病院に行く前に、読んでください」、「第60回菊池寛賞受賞!」とある。昨年末の発売以来100万部を超すミリオンセラー本である。日本人の健康志向は今に始まった訳ではないが、この類の本や雑誌は沢山ある。そんな中で100万冊も売れているのは、それなりの理由がある。サブタイトルの「医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法」は、万人が求めていることである。それに著者が医師であることに説得力というか、安心感がある。それと著者の経歴と出版した本の数が凄い。医学博士で癌の放射線治療が専門で、乳癌の乳房温存療法を勧めている。それに関連する本を共著も含めて40冊近く書いている。特に、「乳ガンは切らずに治る」を『文藝春秋』に発表して大学での出世が絶たれたという。こうしたがん治療の専門分野での活動に加え、15年近い著作活動が評価され「第60回(2012年)菊池寛賞」を受賞された。この賞は、文芸・映画等様々な文化分野で業績をあげた個人や団体を対象に表彰している。
殺されないための心得 (その1) ―― 医者の選択編 ――
身体に異変があったら病院か医院に行く、これは常識というかそのためにあるのが医療機関ある。所が、「マジメで心配性な国民」は、健康保険証を持って「コンビニ感覚」で医療機関に行き、処置と投薬を受ける。これはごく日常的なことであるが、もう少し自分の健康を守るために、医者や薬をどう使うかを考えるべきである。病院も医者も商売である。「医は仁術か算術か」と言われているが、医者に行く前に自分を守ることが肝心であるという。
殺されないための心得 (その2) ―― 患者の心得編 ――
この本に、「患者よ、病気と闘うな」と書いている。しかし、多くの人は病気になるのが怖いので、健康診断や人間ドック等で定期的に自分の体をチェックしている。検査すること自体は問題ないが、もし異常だと言われたら、どう判断するのかがポイントであるという。大半の人は、検査結果に従って精密検査や手術等の処置を受けるのが普通だと思っていた。だが、検査結果を鵜のみにしないで、処置前に別の医師の判断を仰ぐことと警告している。
殺されないための心得 (その3) ―― 健康で長生き編 ――
日本人の平均寿命は男性79.55歳、女性86.3歳だが、健康寿命(厚労省がいう、自立して健康に生活出来る年齢)は男性70.42歳、女性73.62歳である。この差の10年前後は、「健康でなく、介護なしでは暮らせない」期間となる。幾ら長生きしても寝たきりでは、本人も家族も大変である。病気の多くの原因は、生活習慣(食事、運動、睡眠、仕事等)に起因している。著者は、巻末に元気で長生きする方法等々も書いているので参考にされたい。
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