Women's PM
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小さな改善

株式会社エイチアイ・シス 石川 博子 [プロフィール] :9月号

夏の暑さもようやく落ち着き、朝晩、涼しくなりました。耳をすませると、虫の鳴き声が聞こえ、天気図に秋雨前線や台風が現れるようになり、「秋」を感じています。
ところで、よく人材教育で、「ほめて育てる」と言われています。
実際のところ、私はそれができているのか。
ある時、社員の日々の報告が曖昧になり、アウトプットの質が低下してきました。私の満足いくものではありません。
その時、私の心の中で、「どうしてきちんとできないのか。」とつぶやいていました。本人に確認すればするほど、報告と作業実態が伴わなく言い訳ばかりでした。
そんな時、ある人から「最近、ほめてる?」って聞かれました。私はハッとしました。
「ほめてない。」のです。社員へ感謝していることを口頭で伝えるようにしました。
私の満足いかない書類を前に、「これを提出してもらって本当に良かった。この内容は素晴らしい。このことが将来、あなたの財産になるし、私達のお客様へ納得頂くための資料にもなるね。」と社員に伝えました。
そうすると、いつもは「面倒だ。こんな資料に何の意味があるんだ。」と言い放つ本人から
「最初は気がつかなかったが、会社の方でこのような資料を用意してもらったことが良かった。」と、発言するようになりました。
こちらからほめることにより、お互いに前向きに考えられるようになったのです。そこで、もう一歩、前進するために、その資料を前に、「これをもっと改善しょうとすると、どうすればいいかな。」と問いかけました。「○○のようなことを記述していると、後に役立つ。」といった発言などが出てきて、改善することを約束してくれました。
もし、これを以前のように、「記入漏れがあるし、この記述はどの項目の記述かわからない。」などの指摘だと社員の回答は「はい。」か「それは○○です。」といった言い訳だったでしょう。
今回の社員の小さな改善行動には、私が上から物を見るのではなく、下から見上げて観てみることが、どんなに重要か気づかされました。相手の立場に立ってものを観る、考えることの重要性を思い知らされました。
何より、怒ることより、ほめることの方が気持ちいいのです。
これからも、日々邁進していこうと思います。

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