欧州を中心とした国際的プロジェクトマネジメント(PM)の連合体であるIPMA (International Project Management Association) は、1964年にPMの小さな研究活動を開始し、翌1965年にIMSA (International Management Systems Association) として公式に発足、冷戦中のため永久中立国スイスに本部を置いた。1967年に公式名称を一時的にINTERNET (INTERnational NETwork) と称し、1970年代に現在のIPMAに改名した。現在は55か国の加盟PM団体からなり、米国PMI (Project Management Institute) に次ぐ国際PM団体である。2015年には記念すべき50周年大会を迎える。昨年の世界大会は、欧州金融危機の引き金となったギリシャのクレタ島にて開催された。ギリシャは云うまでもなく、西洋文明発祥の地である。さて、今年の開催国はクロアチア共和国である。
IPMA世界大会のテーマは、“Finding Balance and Moving Forward”である。直訳すると「バランスを取り、前進しよう」である。長々とクロアチアの歴史を調べたのも、このテーマの意味するところが、大変微妙で重たいことを知ったからである。更に、クロアチアの立場はもとより、広く欧州の政治・経済全体の立ち位置、更には、新興国の成長に陰りが見え、特に伸長著しかった中国の経済成長が停滞しはじめた世界情勢を鑑みて、まさに今という時代に相応しいテーマであると痛感する。P2Mのプログラムマネジメントの根本に通じる重要なテーマである。決断し、前進してこそ、新たな展開が得られる。