① |
ハネムーン段階・・・当初の数カ月 |
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殆どの駐在員は当初は張切って赴任する。当初は高揚感による軽度の「そう状態」になる。この時の精神状態は2面性がある。それは「緊張状態」と「興奮状態」である。客観的に考えると「興奮状態」は「緊張状態」の裏返しでもある。 |
② |
倦怠期段階・・・当初の数カ月~半年程度 |
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赴任して数カ月過ぎてだんだん落ち着いてくると、仕事や家庭でいろんな問題や課題が見えてくる。些細なことでも解決できない事が増えてくる。そして駐在している国が次第に嫌いになってくる。中国語が分かり始めると、自分や日本への陰口や悪口が少し理解できるようになる。精神的には「そう状態」から「うつ状態」に移行する。思考や動作が鈍くなり、ものごとに集中できなくなる。ホルモンバランスや自律神経も乱れてくる。重症化すると自尊心の低下や優柔不断になり、いつの間にか死や自殺を考えるようになる。駐在員が現地法人のビジネスに適応できるかどうかは、この倦怠期段階を無事に乗り越えられるかで決まる。 |
③ |
緩やかな安定化段階・・・半年経過以降 |
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倦怠期段階は徐々にではあるが、好転の兆しが見えてくる。現地での仕事のやり方に次第に慣れてくる。日常生活についても現地の日常会話や習慣にも馴染み慣れてくる。情緒の方も徐々に安定し、地に足の着いた生活が送れるようになる。しかし慣れてきたとしても、変化が激しく反日感情も強い中国で暮らしていくことは、無意識に緊張や不安を感じているので、潜在的なストレスは残る。 |
④ |
逆不適応段階 ・・・日本に帰国してから |
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日本企業には通常数年で人事異動がある。外国での仕事と生活に慣れた駐在員が、人事異動で日本に帰国すると、“日本での自分の職務上の待遇、職場での人間関係、日常生活、帰国子女である子供の学校生活・・”など不満や不安でフラストレーションが溜まる。日本での職務上の待遇が悪いと海外での業務経験や人脈を生かして転職したくなる。自分だけでなく妻や子供等の家族の問題も、日本に帰国してからのストレスマネジメントの対象となる。 |