STeLA(Science and Technology Leadership Association)
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STeLA Alumni活動の紹介 - STeLA全体のプロジェクトマネジメント -

樋爪 太郎 [プロフィール] :1月号

 ※STeLA (Science and Technology Leadership Association)とは、科学技術分野における次世代のグローバルリーダーの育成を行っている国際団体です。本連載では、STeLAの日本支部 (STeLA Japan)のスタッフが、STeLAの活動をプロジェクトマネジメントの観点から紹介して行きます。
 本稿では、NPO法人STeLAのミッションである次世代科学技術リーダーの育成を目的としたプロジェクトマネジメントについて紹介したいと思います。第一回で紹介したSTeLA Leadership ForumはSTeLAの中でも学生を中心に運営を行っている事業であり、学生団体から出発したSTeLAにとって今でも活動の中心となっているものです。一方、過去に参加者やスタッフとしてForumに関わった社会人が中心になり、様々なAlumniとしての活動を行っています。
 第一の例として、Alumni Forumが挙げられます。Alumni ForumはSTeLAに関わる、もしくは関わった人々に継続的な学習機会を提供すること、人的ネットワークを強化することを目的に日本国内で一泊または二泊で毎年開催しているものです。毎年の開催では新しく開発したLeadership Sessionの提供や、社会人と学生の座談会などを実施し、社会人同士の近況の共有、学生への就職後の業務への情報提供等を図っています。
 また、STeLAでは不定期に一般向けにSymposiumを開催しています。2011年には学生、大学、行政のそれぞれの立場から理系高等教育の意義と問題点について議論するSTeLA科学技術シンポジウム「大学って何だろう」を開催し、60名を超える方に参加して頂きました。このSymposiumは、幅広い層に現在の教育が抱える課題についての理解を広めることを目的としており、このようにSTeLAのミッション達成に資する対外的な活動を強化しています。
 様々な教育機関と連携した一般学生向けの教育活動も行っています。2011年には東京大学の秋入学制移行検討に際し高校卒業後のギャップタームに提供する教育プログラムの提案書を提出しました。2012年には東京大学情報理工学研究科のグローバルリーダーシップ教育院の協力団体となりました。どちらも本格的な教育プログラムの提供はこれから、という段階ですが、Forumと比較しより多くの学生にSTeLAの理念を伝えたいという意欲を持って取り組んでいます。
 こういった活動を支えるため、月に一度はAlumniで集まる機会を設けているのも特徴です。Alumniの集まりでは、活動の進捗報告やNPOのマネジメントに関わる議論の他、Leadershipに関する学びを共有するセッションも実施しています。社会人になると、継続的に学んで行ける社外の機会は非常に限定されると痛感しているメンバーも多く、意欲の高い人たちが集まって活発に議論を交わしています。
 このように、STeLAは次世代科学技術リーダーの育成という目標のもと、Forumの参加者、一般学生、社会人も含めた一般を対象とした様々な活動を行っています。それと同時に、メンバー間のネットワークを強化し、成長を促す仕組みも存在し、これが組織としての成長を支えています。今はまだここでは書けない企画案も複数ありますので、今後も我々の活動に注目頂ければと思います。

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