田原 幸朗
昭和63年より(社)情報サービス産業協会。
技術、企画等の委員会担当を経て、
平成23年7月、一般社団法人情報サービス産業協会理事。
先号
次号
次世代高度PM人材を目指して
一般社団法人情報サービス産業協会(JISA) 田原 幸朗
[プロフィール]
:7月号
JPMFが発足した当時、情報サービス産業では、情報システム構築の品質、納期、コストの確保が大きな課題であり、キーワードはPMBOKをベースとしたPM人材の育成でした。現在は、IT分野も利活用ではクラウドコンピューティング、開発ではアジャイルが注目を集める時代となり、プロジェクトマネジャにも、顧客あるいは自社の利益に貢献する経営的なセンスが求められているように思います。
JISAでは3年前に、情報サービス産業に係る業界変化の展望をまとめました。「業界構造の変化」として、3つ。
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受託開発型からサービス提供型:作るから使う流れの加速
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労働集約型から知識集約型:生産性向上、競争力を高めるためのビジネスモデル転換
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多重下請構造から水平分業型:技術や標準化の加速による構造変化の加速
「顧客と競合との関係変化」について2つ。
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顧客従属型からパートナー型:顧客事業の実現を支援するビジネスパートナーへのシフト
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国内産業、国内競争から国際産業、国際競争:顧客のグローバル化支援や独自のソリューション展開
今後は、このような5つの変化を踏まえた業界の構造改革を推進する人材が必要となります。同様に、業界の技術者にも、これまでの顧客の業務効率化から、パートナーとしての新規事業創出や差別化のための新たなビジネスモデル構築を支援する実践的な知見と創造性が求められることになります。
PMAJの目指す人材も、プロジェクトの概念が広がる中で、顧客や自社の経営改革に寄与する視点がより一層強く求められることになるのではないでしょうか。