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「ダイバーシティ時代のプロジェクトマネジメント」
~異文化の人たちとのやり取りを楽しむ力~

井上 多恵子 [プロフィール] :6月号

 4月に異動し、まさにグローバルなスケールで各国の人たちとのやり取りをすることになった。5月には、世界中から集まった人たちの前で、プレゼンテーションを実施。職場の人から、「すごいですね」と感心された。先日開催した電話会議ははじめて経験したのだが、次々に皆がオンライン状態になるのは、不思議な感じがした。現在直接的に頻繁にやり取りをしているのは、インドの人。さまざまな要望を次々に提示しても、受けてくれる。これはまさしく、「Noと言わないインド人」を体感している、ことになる。本で読んで得た知識が実際そうなのだと知ることができるのは、楽しい。やり取りをしている相手は教授なので、メールを書く際もどきどきしている。
 海外の人たちと一斉にやり取りをする際は、時差も考えないといけないから、アバウトな私にはやりづらい。先日は東京朝7時にミーティングを設定。ヨーロッパの人たちにとってはなんと、真夜中だった。がっくり、、、。サマータイムも考慮する必要がある。でも、そんな不便があっても、世界は随分近くなっている、そのことはポジティブだ、というのが実感だ。
 7月には、インドに行く可能性がある。インド人は相当頭がいいらしいから、打ち合わせをしてもついていけないかもしれない。その不安はちょっとあるけれど、エネルギッシュなインドの街をぜひ体感してみたい。インドでも、できるだけ観光客が行かないようなところを体感できればいいと思っている。インドに関する映画や本もたくさんあるので、事前に触れることで、現地での楽しさを増したいと思っている。インドを体感することで、従来とは違った視点を見につけることができるだろうか。
 この文章を書いている間にちょっと休憩して、NHKでやっている、「ザ・スーパープレゼンテーション」を視た。毎週月曜日夜11時から放映。今日の二人のスピーカーの話は印象的だった。一人は確か、世界には1兆時間の余裕時間というものがあり、多くの人の力とデジタルの力を使うことで、さまざまなことができる、という話をしていた。伊藤譲二氏が絶賛するスピーカー。派手な資料を使うわけではなく、極めてわかりやすいプレゼンだ。グラフも少しずつ見せたりしている。こういう人のプレゼンを視ることは、自分自身のプレゼンの改善にも役立つ。もう一人の人は、自分のストーリーを優しく語っていた。苦しんでいる人がいたら、手を差し伸べる。皆の協力を得るために、自分は隠しておきたい自分の過去を皆に見せる、というものだった。彼が話終わったら、スタンディングオベーションになっていた。ネットにも日本語字幕がついた映像があるから、興味がある方は視てみると面白い。
 今仕事でイノベーションに関することを調べたりしている。イノベーションのために必要なのは、多様性。異文化の人と多く接することができたら、みなさんのイノベーション力もより一層高めることができる、PMAJ協会で実施している、先輩PMを囲む会も異なる世代の方と接する貴重な場。参加できる方はぜひ見にいってみるといい。
 今月、キャリアカウンセラーの集まりがあり、そこで、外国の講師が話をしていた。比ゆを使って話したりして、人を惹きつけていた。成功するキャリアを磨くために大事なのは、「希望」。今はどんなにつらくても、「希望」があれば、人は前を向いていくことができる。仕事が自分の能力以上だと思っても、「希望」を捨てずにやり続ければ、きっといいことがあるはず!今の私は、大量の仕事に追いついていけていない状況。自分のスキルの無さも痛感している。でも、この異文化との出会いで得た感触を大事に、前を向いていけるようになりたい。
 夏には、インドへの出張で得た多くの学び、異文化の人と多く接することで得ることができた知見を共有したい。
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