PMシンポ便りコーナー
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「PMシンポへの想い」

石川 博子 [プロフィール] :2月号

 2012年が明け、昨年の震災から「復興」への足音とともに、これからの支援が長く、被災地の方々が本当に安らげる日を待ち望む日々が続きます。
 私は、小さなシステム開発を行っている会社を営み、早14年、有限会社、フリーランス時代を含めると25年近く経ちます。この間、楽しくもあり、悔しくもあり、苦しくもあり、人間形成にとって貴重な経験をさせていただいています。
 もともと、私は、ゲーム会社で開発企画に携わり、それからソフト開発の方に移行し、20代後半からソフトウェアに関わりました。当時はアセンブラという言語をCPUごとに勉強しながら組込系のソフト開発を続けていました。結婚を機に、独立をし、フリーランスから有限会社を立ち上げ、株式会社となりました。当初は、装置開発なども自社でハードをそろえ、そこに組み込むソフトウェアを開発していましたが、時代が変わり、技術進歩により、組込系の開発は殆どお客様のところで行う事が多くなりました。使用言語もC言語、Visual C、C/C++と変わり、開発手法もウォータホール型からアジャイルへ、スタンドアローンからネットワーク対応へと変わってきました。
 このような変化の中で、私自身、変化への順応をしてきましたが、最近、お客様のところで働く派遣型のエンジニアのキャリアステップについて、考えさせられます。
 例えば、「システムエンジニア」「プログラマ」の多くは、30代までに「リーダー」や「マネジャ」を経験し、40代になると、「プロジェクトマネジャ」もしくは経営側の「マネジャ」、「コンサルタント」、「システム営業」、「社員教育の講師」などを行っていきます。40代以降、殆ど、「システムエンジニア」「プログラマ」としての需要がなくなってきます。
 しかし、前向きで向学心の強いシニアエンジニアは20代、30代のエンジニアに比べれば、手も遅い部分もありますが、なにより、システム設計、コーディング、検査で、エンジニアたちの苦悩や問題点が把握でき、今までの経験から適切なアドバイスができる部分があります。
 「エンジニア不足」と言われる今、いかにこのようなシニアエンジニアを活かすかが課題です。プロジェクトの中で同じ目標をもち、達成していこうとする中で、最前線のエンジニアもシニアエンジニアもマネジャもお互いにリスペクトしあえる環境で、助け合い一つの目標達成を行っていくことこそ、各々の人生においても有用な経験となりうると信じています。
 また、「システムエンジニア」は残業、徹夜が多く、好感をもたれない側面もあります。
 シニアエンジニアを活用することで、優秀なエンジニアに偏りがちな作業をシェアでき、徹夜や残業などを軽減することができるでしょう。
 派遣型の「システムエンジニア」にとっても実務経験のほかにP2MやPMPなどの資格取得でキャリアステップの選択肢が増えます。「システムエンジニア」がこのような資格についての情報を得、仲間を増やすには「PMシンポジウム」はとても良い機会です。
 より多くの方が、このような機会からより多くの選択肢を持ち「システムエンジニア」に関わり続けることができることを祈ってやみません。
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