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交渉(ネゴシエーション)のあり方
交渉を「ゲーム理論」で言われているゲームに参加している人達の利益と損失を合わせると丁度ゼロになると言った「ゼロサムゲーム」であるように物事を納めていくものと思っている人もいます。
このことはいわゆるWin-Loseの関係で勝った者は優越感を持ち、負けたものは劣等感や恨みを残すことになり、引き分けても「負けなくて良かった」と言う中途半端な感情が残ります。
交渉の理想はやはり「非ゼロサムゲーム」と言った両方が勝つと言うよりも十分お互いハードな交渉を行ったが双方満足と言った感情を持つ「Win-Win」であるべきと考えられる。
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相手 |
自
分 |
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勝ち |
負け |
勝 ち |
Win-Win 信頼 |
Win-Lose 強引(対立的交渉) |
負 け |
Lose-Win 妥協 |
Lose-Lose 不信(敵対的交渉) |
以上が交渉の考え方ではあるが、一般的には我々は無意識的に相手に勝つと言う「Win-Lose]の交渉になりその交渉に勝つと仲間から拍手喝さいを受け所属する企業からは「良くやった」とほめられます。
プロジェクトマネジャの「行動特性」としては当然このような交渉を求められるが、この場合、顧客または交渉相手との以降のプロジェクト実施において気まずさが残り、実行面での不利な状況を作ることになります。
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② |
プロジェクトマネージャの交渉(ネゴシエーション)行動特性
交渉の基礎となるものとしてはコミュニケーションスキルが重要です。
交渉において理路整然と自分の主張だけを相手に説明するだけではなくその場の雰囲気、相手の事情そして自分の目標を持って相手が納得するまで粘り強く説明することが必要です。
すなわち、形式知(文章で表せるもの)と暗黙知(コンテキスト)の双方を駆使したコミュニケーションを行えているかどうかです。
その他に、交渉には必ず最終的な落とし所があります。そのためには目的とする対象のどこで決着をつけるかまたそれがWin-Win となるかタイミングを見て決定することが必要です。
しかし、あせらず、あわてずそしてあきらめずのいわゆるローカス・オブ・コントロール(コントロールの中心)が自分の中にあり、そして「自分を知り、他人を知り、取り巻く状況を見て目標を持って粘り強く行動する」と言ったEQ人間である必要があります。 |
③ |
どのような行動パターンを交渉(ネゴシエーション)でとるか? |
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適切なコミュニケーション能力を持ち相手を納得させるすべを持っている。 |
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自分を知り、他人も知り、そして取り巻く環境も反映し、粘り強い意志を持って目標に向かって対応している。 |
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交渉での過程ではそれぞれの言い分を吐き出させ、結果として双方が納得したWin-Win なものになる。 |
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交渉時のハードな対立状態を適切な後処理(懐柔策)をとり、以降も良好なコミュニケーションを維持している。」 |
④ |
交渉テクニック |
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一人で対応するより2人一組で相手に対応する。漫才のボケと突っ込み風に二人三脚で交渉する。 |
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相手から突っ込まれたら時間をもらう。即座に返事をせず、“本件明日の何時まで返事をする”とし、その問題を検討する時間をとる。特に大きな決断をする場合は会社責任者に確認をとり結論を出す。
ただし、前もって交渉に関する体制は整えておく。 |