例会部会
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「第152回例会」報告

PMAJ例会部会 斎藤 雅敏:9月号

【データ】
開催日: 2011年 7月29日(金) 19:00~20:30
テーマ: 「BABOKの概要とBA(Business Analysis)の取り組み事例」
~アセスメントからはじめるBAのお客様事例のご紹介~
講師: 斎藤 忍  氏/株式会社 NTTデータ 技術開発本部
千田 一樹 氏/株式会社 NTTデータ グローバルITサービス事業推進部

本講演は以下の流れに沿って説明された
1 ) BABOKの概要
2 ) お客様事例
3 ) BABOKとお客様事例の関係

BABOKの概要…BABOK(ビーエーボック)とは何か?
  ビジネスアナリシス(BA)の実践に関する世界的な標準である
  BABOKの狙いはビジネスアナリシスの専門職を定義すること
→業務分析のプロフェッショナルを定義する
1 ) ビジネスアナリシス(BA)とは?
  組織の構造・方針・活動の理解、および目標達成へのソリューション提案のため
ステークホルダー間の調整を行う上で活用されるテクニックとタスクのセット
  ビジネスアナリストは、ビジネス分析の活動を実行する人
  「ビジネスアナリスト」という肩書きだけでなく、ビジネスアナリシスの活動を実行する人は含まれる→プロマネ、コンサル…定義して昇華させる

2 ) BABOKの知識領域…7つの知識領域により構成される
  エンタープライズ分析(Enterprise Analysis)
  ソリューション評価と妥当性確認(Solution Assessment & Validation)
  要求分析(Requirements Analysis)
  抽出(Elicitation)
  要求管理とコミュニケーション(Requirements Management & Communication)
  ビジネス分析の計画とモニタリング(Business Analysis Planning & Monitoring)
  基本的な能力(Underlying Competencies)
それぞれの知識領域は、構成タスク、全体のインプット/アウトプットなどが規定される

3 ) 知識領域の構成タスクとインプット/アウトプット例
知識領域:ソリューション評価と妥当性確認(Solution Assessment & Validation)
構成タスク:
  提案ソリューションを評価する
  要求の割り当てを行う
  組織の準備状況を評価する
  移行要求を定義する
  ソリューションの妥当性確認を行う
  ソリューションパフォーマンスを評価する
  Input:
  前提/制約
  ソリューションパフォーマンス評価指標
  ソリューションスコープ
  一部を抜粋
  Output:
  提案ソリューションのアセスメント
  ソリューションパフォーマンスアセスメント
  ソリューションの妥当性確認アセスメント
  一部を抜粋

4 ) ビジネスアナリシスを開始する構成タスク
BABOKでは、ビジネスアナリシスを開始する代表的な構成タスクとして2つのタスクが紹介されている
  トップダウン的アプローチ
知識領域「エンタープライズ分析」のタスク「ビジネスニーズを定義する」
  ボトムアップ的アプローチ
知識領域「ソリューション評価と妥当性確認」のタスク「ソリューションパフォーマンスを評価する」

お客様事例…taspoプロジェクト
1 ) プロジェクトの経緯
  各センタの体制とシステムは、業務のピーク期を考慮した設計となっていた
  コスト削減プロジェクトが検討された2009年度は業務のピーク期を過ぎて安定期を迎えており、業務量が減少していた
  たばこ業界を取り巻く厳しい環境により、開発当初想定した業務量より実際の業務量が少なかった
そこで業務の見直しが必要となる!… 合理化チームを作って対応することになる

2 ) プロジェクトの進め方
  ブレストを行い、100の施策(ソリューション)を出した。そこから絞り込みを行う
  3つの観点で分類した
  1 ) サービス内容の見直し
  2 ) 内部ルールの見直し
  3 ) 業務の見直し

3 ) コスト削減プロジェクトの結果
  一年で全体の13%を削減に成功した … 結果はモニタリングした

BABOKとお客様事例の関係
1 ) BABOK的アプローチ…今回は「ボトムアップ的アプローチ」を選択した
  知識領域「ソリューションの評価と妥当性確認」より各タスクを実施
  ⇒既存ソリューションの評価から開始する
  タスク「ソリューションパフォーマンスを評価する」を実施し「ソリューションパフォーマンスアセスメント」を作成した
  ソリューションパフォーマンス評価指標=業務量
  ⇒開発当初の見積りより落ちている…現状分析の結果判明
既存ソリューション評価後、新たなソリューションの検討・定義を実施した

2 ) コスト削減に向けて、知識領域「エンタープライズ分析」の各タスクを実施
  能力ギャップをアセスメントする
  ⇒利益を追求する性質の施策の不足を把握する
  ソリューションアプローチを決定する
  ⇒方向性、テーマを決定する
  ソリューションスコープを定義する
  ⇒アプローチをどうするか考える
1)と2)は、それぞれで完結するのではなく、相互に行きかうことで「あるべき姿(As-Is)」と「ありのままの姿(To-Be)」を補完していくことになる。

受講した感想
  まずBABOKの考え方・基礎を表し、次に実例を紹介し、そして実例を基にしたBABOKの適用部分の解説をされたことによって、より”実体験”として、自分の中の”腑”に落ちた。
私はBABOKを殆ど知らない状態からの受講だったが、今回の講義を受けBABOKが何か、どのようにすれば実業務に適合出来るかが、うっすらながら見えてきたように感じた。
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